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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 2010年12月
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熟年世代向けに特化した官能小説サイトです。

詩(うた)と小説で描く「愛の世界」

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お師匠はんに仕えて三十年。其の一

◇一期一会◇
一期一会01
谷崎の卍(まんじ)を真似したわけやおへんが、此処の管理人さんが許可して
呉れはりましたんで、この告白は全編にわたり、京言葉で綴らせてもらいます。

なにしろ古い人間ですよって、箱根のお山を超えたことがありません。
京都で生まれて六十年、ずっと洛中で暮らしてきた井の中の蛙。
出来る事いうたら茶道具の目利きだけ。それが坪井勘弥という男なんです。

『山上宗二記』の中に、村田珠光の言葉として伝えられているこんな一説があります。
(藁家に名馬をつなげたるがごとし)
これにはいろいろな解釈がなされておりますが、一般的にはただの草庵、
藁家のような質素な空間に、名馬を置くようなことを説きはったとされています。

私はこの珠光さんの言葉を目にするたびに、実は自分の境遇と重ねて
勝手な解釈をしてしまう事があるんですわ。

茶人として生きる上で、かくあるべしという戒めではなく、
お師匠はんに繋がれて生き永らえて来た自分の人生の儚さを。
勿論私は名馬ではなくて駄馬でありましたが。
いや、お師匠はんにとっては農耕馬と言うたほうが当たってるかもしれまへんな。
ーーー
「ええか、四日やで」
この言葉が私をかなしませました。なにしろ日にちの事で念を押されたのは是が
初めてやったからです。私の表情を読まれたんでしょうな。
お師匠はんは私の薄くなった白髪のつむりを其の細く白い指で撫ではって、
「気い悪うしなや。ナーパスに成ってるんはうちのほうやから」

四日にお呼びしたお客。なるほどお師匠はんが神経質にならはるんも、
無理からぬことやと思いました。
「すまんこって」
「ううん、なにもあんたが詫びんならんことはない。
 あんたはいつも通り、手伝ってくれたらええんや」
「へぇ」

障子紙に晩秋の淡い陽射しがあたり、竹林の影が揺れておりました。
お師匠はんは今年ちようど五十にならはりました。
五十歳。しかし世間の物差しではお師匠はんを計る事は出来ません。

お師匠はんは美しいお方。私にとっては日光、月光菩薩、大弁財天女、
十五童子の様に尊いお方。小さい頃からお世話を続けた私には、
血を分けた子供よりも大切なお人なのです。


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お師匠はんに仕えて三十年。其の二

◇茶事に招かれた客◇
一期一会04
「お師匠はん、よろしいおすか?」
「かまへん」
「へい、ほなら」
お師匠はんを布団の上に横たえて、浴衣を体に掛けます。
座敷の片隅にある化粧台からティッシュを摘み取り、
膝をついてお師匠はんの太腿を覗き込みます。

「ごめんやす」
お師匠はんは無造作に立て膝にしはります。
愛液にまみれた観音様を、ティッシュで丁寧に拭いて差し上げるんです。

「勘弥、おまえ、まだか?」
お師匠はんが物憂げに首を傾け、私の股間を眺めながら言いはりました。
「へい、へへっ、そやけど、よろしゅうおす、こんなもん」
「そんな大きいしたままで、帰るんか?」
「もうそこまで元気なことおへんわ」

「上のほうも気持ち悪い、拭いてんか」
「へい」
オサネの辺りを拭く私の密かな喜び、
「せっかくや。それ土産にあげるわ」
「へ?」
「あんたの嫁はんには、私からや言うてなぁ。なんやったら毛絲でもつけようかいな」
「そんな無茶な」

よほど自分で言うた冗談がおかしかったんでしょうな。
お師匠はん気持ち良さそうに笑いはりました。
毛絲なんかつけてもろうたら困ります。
すぐに萎えてしもうて、家に帰って女房の顔を見る頃には、
小便だけのみすぼらしい道具に落ち着いてしまうんですから。

「ええか、勘弥、四日やで」
お師匠はん、また繰り返しはりました。
「へい、承知いたしております」
「大事なお客や、頼むで」
「へい」
「掛け軸も新しいもんがええ」
「明日にでも運ばせます」
「墨跡よりも絵がええなぁ」
「承知しました」


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お師匠はんに仕えて三十年。其の三

◇お師匠はんの心◇
一期一会07
二十年の歳月が流れ、あの時私が取り上げたお嬢さんが、腰掛の三客の円座に
お座りに成り、義理のお母様と露地の風情について楽しそうに話して居られます。

「さて・・・」
迎付けに来るお師匠はんの姿が見え、社長はん、奥様、お嬢様の順で
中門にお進みになられました。
亭主であるお師匠はんが中門の戸を開き、双方、うずくまって総礼となるのが作法です。
この後、もう一度腰掛けに戻り、間を置いてから席入りとなるわけです。
社長はん、連客、飛石を伝って蹲踞にいたり、手水を使います。

躙リ口へ消える社長はんのお姿を見ると、
やはり私は二十数年前の事を思い出さずにはおれません。

「坪井、頼むで」
「へい」
胸が張り裂けそうでした。茶室の見張りをしながら、お師匠はんと社長はんの気配を
背中に感じるのは辛うおした。躙リ口の傍で控えておった事もおした。
お師匠はんも知っておいでやした。私のお師匠はんに対する気持ちを、
それを知ってて戸の隙間を少し開けて置く様な酷いお人どした。
私は四十、まだ嫁も貰わず、お師匠はんの傍に仕えることだけが喜びの無骨な男どした。

今でも耳にこびりついています。
「ああ・・・ああっ」
躙リ口の隙間から、畳に頬をこすりつけるお師匠はんが見えました。それだけやおへん。
お師匠はんは戸の隙間から私を見ておい゛どした。
「どや、ええやろ」

社長はんは私と四つ違い。やっぱり働き盛りの精力漲るいう感じのお人どした。
強引にお師匠はんを口説きはりましたし、、私の反対を押し切って溺れはった
お師匠はんの気持ちも、今となっては判るような気がします。

「ほらっ」
「ああっ・・・」
うつ伏せにされ、着物をお尻に捲り上げたあられもない姿でお師匠はんと社長はんは
?がっておいでどした。社長はんが力まかせに腰をおしつけると、
「ああっ」
と悶えたお師匠はんの体が前へ進みました。
畳を頬でこすり、振り乱した髪の毛を口に咥えた妖艶な姿で、
お師匠はんが少しずつ、少しずつ躙リ口へ寄って来はったのを覚えています。


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お師匠はんに仕えて三十年。其の四

◇家元の一番蔵◇
一期一会10
悪戯が大好きで、蔵に入って来るなり私を鬼にして走り回る、
というような乱暴なことを平気でしはりました。家元の一番蔵です。
中には国宝級の名品も棚に並んでいるのです。
寿命が縮まる思いで、気が気やおへんどした。

「ほら、キャッチボールや」
ちょうど記録の為に桐の箱から出してあった高麗茶碗が棚に置いてありました。
それをお嬢さんが手に取り、私に投げようとしやはったんです。
「あきません、それはあきません!」
「勘弥が受け取ったらそんでええやないか」
「できません。お願いです、置いてください!」

そんな事を思い出していたとき、茶室では初炭が終わった気配が終わった気配がしました。

初炭の後は懐石となります。懐石とは、後座で濃茶をいただく前の軽食を言います。
また初炭の湯相を整えるという意味もあるのです。最初に少量のご飯と汁、
向付が出されます。そしてお酒となり、続いて煮物、焼物の順番です。

私は特に許され、茶道口のそばでお手伝いをいたしました。
吸物、八寸をお出ししながら、お嬢様とお師匠はん、
そして社長はんと奥様のお姿を拝見いたしました。

「美味しいわ」
お酒を一口召し上がり、向付の鱠(なます)をお口に運ばれるお嬢様を拝見すると、
どうしても十四歳の春の、お師匠はんと重なってしまいます。

「あはははっ、な、ちゃんとキャッチできたやろ?」
当時でも家の一軒や二軒は、簡単に建てる事が出来る位高価な高麗茶碗。
危うく受け取った私の胸をお嬢様が乱暴に押されたんです。

「な、なにをするんですか?」
「じっとしときっ!」
置く場所もなく、ただ膝を震わせて茶碗を手に立ち尽くす私の唇を、
背伸びをして抱きついてきたお嬢様の唇がふさぎました。
飴をなめてはったのでニッキの匂いが下のを覚えています。

「お父ちゃんに言うたらあかんで」
「お、お嬢さん・・・」
「二人の秘密やで、ええか?」
「・・・」
「勘弥はうちの召し使いや」


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お師匠はんに仕えて三十年。其の五

◇二十年の色懺悔◇
一期一会13
「結構でした」
懐石が終わり、お客は一旦席を出て腰掛けへお移りになられました。
これから後座の支度が始まります。

腰掛けでお客が休息をされている間、お師匠はんは床の掛物を巻き、
花入に花を活け、水差、茶入を飾り、湯相を確かめてから迎付の銅鑼を打ちました。

お客の席入りが始まるのです。
濃茶の点前について、私がここで詳しく書く必要もなかろうと思います。
私は茶道口のそばに控えておりました。
湯のたぎる音、茶筅の溶く音しか聞こえてまいりません。
私は瞑目し、その気配に耳を傾けておりました。

出産の後、赤ちゃんは直ぐに社長はんに引き取られていきました。
もちろん二十歳に成長されたお嬢様は、眼の前で茶の点前を披露している家元が、
自分の本当の母親だとは知りません。

「ええ茶事や」
社長はんの声が聞こえてきました。
後炭の後、煙草盆、千菓子など出されて薄茶となります。
濃茶と違い、薄茶は気楽なもので閑話など聞こえてきます。

「この軸は」
「へえ、それは・・・」
ゆるゆると茶入の話しなどした後、少しの間があり、
「お嬢さん、お綺麗にならはって」
とお師匠はんの華やいだ声が聞こえました。
私はきゅっと心臓を濡れた手で握られるような緊張を覚えました。

お師匠はんは気の強いお方。
五十にならはっても、眼の前に居る社長はんの奥様を遣り込め様となさる。
社長はんとはとおに手を切り、今では色々と家元のことで援助も頂いているお方やのに、
その眼の前でそういう事を平気で言いはる。

「奥様もお楽しみどすなぁ」
返事は聞こえてはきませんでした。曖昧に微笑む奥様の顔が目に浮かぶ様な沈黙でした。
そもそもこの茶事をお許し下さったのは社長はんのご好意でした。
娘も成人したこっちゃし、実の母親にもその姿を見せてやりたい。それやのにお師匠はんは、
「小さい頃から可愛らしいお子どした」
などと腋の下から冷や汗の出るようなことを平気で口にしはったんです。
一期一会の茶にしてはあまりに生臭い修羅場となったのです。

「ここでよろし」
躙リ口より出たお客が、潜り戸を開けたお師匠に見送りを辞退しました。
決まった茶事の作法の一つですが、なんや私には生々しく見えてしまいました。


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  1. 合縁奇縁
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若い性を共有する享楽夫婦。其の一

◇私たちの夫婦性活◇
若い性を共有01
人生八十年、最近では老人の性がマスコミによって取り沙汰されています。老人にも、
性を楽しむ権利はある・・・。一般論としては皆さんそうおっしゃっているようです。

私たち夫婦にも、二人の娘がいます。二人とも成人して既に独立し、家には居りません。
もし娘たちが私達夫婦の行状を知ったなら、恐らく眉をひそめるに違いありません。
老いて益々盛ん、と言うのは私達夫婦の為に有る様な言葉なのです。
私達は、少しばかり他のご夫婦達とは毛色の違った性生活を歩んで来ました。
その事は娘達には勿論、他の誰も知りません。

私(畑中弥生・62歳)と夫(畑中義男・63歳ビルメンテナンス会社経営)は、
マンネリと言う事を何よりも恐れて来ました。
“健全な会社経営は健全な家庭生活に有る”が夫の持論で、
毎年の忘年会は、既婚者は夫婦同伴が社長命令でした。
“離婚するような奴は幹部にはしない”が口癖なのです。

夫婦の破滅は、まず性生活からはじまる・・・。それも夫の持論ででもありました。
私も夫の説には新婚当初から深く賛同していたのです。それでも結婚十年目までは、
何の工夫もなしに円満な夫婦関係を続ける事が出来ました。けれど、十年を過ぎた
辺りから私達の元にも倦怠期という暗黒の時代がやって来たのです。

この時、私達はショック療法の必要に迫られました。重苦しい倦怠期を乗り切る為には、
どうしても性生活にカツを入れねば成らなかったのです。

私達は、確かに人並み以上に性的好奇心の強い夫婦だったかもしれません。
私も夫も体質的に“強い”方でもあり、並みのご夫婦以上に倦怠期が早く感じられました。
ですから、それは本当に深刻な問題だったのです。

今でも考える事ですが、そのときの夫は実に立派だったと思います。
夫は男ですから、遣ろうと思えば何時でも浮気の一つ位出来たのです。
けれども、夫は私を裏切りませんでした。二人で力を合わせて、
この危機を脱出しようと私に相談してくれたのです。

この時私は、この人となら一生一緒に生きて行けると心底、感じ入ったものでした。


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  1. 夫婦生活の知恵
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若い性を共有する享楽夫婦。其の二

◇刺激が欲しい◇
若い性を共有03
子供たちが、まだ小学生の時の事です。当時夏休みに入ると二人の娘は、
私の実家に一月ほど預けて夫婦水入らずの生活を送って居りました。
実家は兄夫婦が継いで居り、娘達には従姉妹に当たる子供達も居て、
長期の外泊も子供達には楽しみで夏休みが始まると、娘達二人でさっさと
電車を乗り継いで遠い群馬の田舎に行ってしまうのでした。

「弥生、大通り公園まで散歩に行くぞ」
夕暮れ時、夫はこう言いました。
「Tシャツとミニスカートに着替えなさい。ブラジャーもパンティも着けずに、な」

夫の考えている事が以心伝心、私にも伝わりました。
私は夫の言うとおりに仕度をし、私達は大通り公園まで散歩と洒落こんだのです。
ノーブラにTシャツといういでたちは、私にそこはかとない羞恥を与えました。
私のブラジャーサイズは、七十のCカップです。歩くたびに乳房がブルブル震え、
人目が気に成ったものでした。

ノーブラで歩く、ただそれだけの事で私は何時に無い興奮を覚えていました。
倦怠期の憂鬱が、嘘のようでした。
私は、組んでいた夫の腕にしがみつかずにはいられませんでした。
ノーブラのうえに、ミニスカートの下は糸くず一つ付いていない剥き出しです。
夕暮れの生温かい風に愛撫された下腹はすでに、熱く潤っていました。

「ああっ、あなた、私・・・」
歩きながら、私は夫の耳に囁いていました。
「すごく、ああーっ、すごく感じてきちゃつたみたい。立っているのが辛い・・・」
「公園はもう直ぐだ。そのまま歩きなさい」

心なしか、道行く人がジロジロと私を眺めているような気がしました。私の身体から、
発情した牝の匂いがプンプン漂っていたのかもしれません。
公園に着くまでの短い道のりが、堪らなく長く感じられました。

「着いたぞ。あそこのベンチに腰掛けよう」
公園に着いた時、辺りはやや薄暗くなっていました。子供たちの姿は無く、
アベック達の姿があちらこちらに現れ初めました。

ベンチに坐ると、ただでさえ短いスカートが太腿の上まで捲くれ上がります。
見る角度によっては、淫毛が覗ける様なきわどい体勢でした。。
「足を開け、弥生」
それでなくともドキドキしている私に、夫が追い討ちを掛けました。


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  1. 夫婦生活の知恵
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若い性を共有する享楽夫婦。其の三

◇可愛い牝奴隷◇
若い性を共有06
野外姦を皮切りに、私達の冒険はスタートしました。
初めての野外姦に味をしめた私は、二度と冒険に躊躇する事は有りませんでした。
おかげで、倦怠期に悩む暇も無いほどでした。

私達夫婦にとって倦怠期は危機であると同時に、
素晴らしく刺激に満ちた時代でもあったのです。
私も夫も目新しい何かを探して来ては、精力的に性生活に取り入れたものでした。

「SMって知ってるか、弥生?」
あれは子供達が中学へ上がった頃の事、私も夫も四十代の女盛り、
男盛りの年代でした。夫の問いかけに、私は言うまでもなく目を輝かせていました。
「知ってるわよ。サドマゾのことでしょう?」
「そうだ。人づてに、面白い店があると聞いたんだが・・・」

当時夫はビルメンテナンスの会社を始めたばかりでした。其の関係で、
取り引き先を接待することも頻繁で、色々な店に出入していたようです。
「もしかして、SMクラブ?」
今と違って、SMクラブなどまだ珍しい時代でした。SMクラブと聞いて、
私はもう居ても立ってもいられなくなりました。
「ああ、麻布の方にあるらしい。こんど行ってみないか?」
「もちろんよ!明日にでも行きたいわ」

その頃、すでに私はすっかり好奇心旺盛な女に成長していました。
早速、翌日に私達は麻布のSMクラブの門を叩いたのです。
私達を迎えてくれたのは、マリアという名前の女王さまでした。年の頃は三十前後、
スタイルはさながらファッションモデルのように均整が取れていました。

「おまえたちの望みは、いったい何なんだい?」
黒い羽飾りのマスクの下から、マリア女王様は凄みのある声で言いました。
マスクをつけていてもその美貌のほどが窺われます。

「ふたり一緒に、この私に苛められに来たのかい?」
「いいえ、私達は、それほどハードなプレイを求めている訳ではありません。
 私は妻を少しばかり苛めてみたいのです。しかし何分にも初心者なものでして、
 女王様のご指南を仰ぎたいのですが・・・」

主人が答えると、マリア女王様は私達を奥の部屋に従いて来るように命じました。
すでにプレイははじまっているようでした。


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若い性を共有する享楽夫婦。其の四

◇若い二人の性◇
若い性を共有09
私達は今年で結婚35年目に入りますが、
こうした工夫によってこの長い年月を順風満帆に生きてくる事が出来ました。
露出狂めいた遊び、野外での交合、SMの真似事などを経て、
なお私達夫婦の冒険は続いていうるのです。

考え付く限りあらゆる性のチャレンジを試みてきた私達ですが、
浮気と言うものに手を染めたのは十年ほど前の事でした。
私も夫も同じ時期に愛人を見つけ、お互いの同意のもとに不倫を始めたのです。

私の相手は、原島豊(仮名・二十五歳)というウチの会社に出入りする営業マンです。
そして、夫の相手はウチの会社の経理を見てくれている経理事務所の職員で、
彼女の名は川西麻子さん「仮名・二十三歳)といいます。

「麻子ちゃんて、とっても可愛い人ね。あなた、彼女に気があるんでしょ?」
最初に、夫を挑発したのは私でした。
「私には分かるのよ。あなたは、あの娘を抱きたいと思っているでしょう?
 いいのよ、麻子ちゃんと浮気しても・・・」

図星を指されたのか、夫は何も言い返しませんでした。以前から私は、
夫と川西麻子がお互いに好意を持ち合っている事に気付いていたのです。
「可哀想に、あの娘、小さい時にお父さんを亡くしてるんですってね。
 あなたに、お父さんの面影を求めて居るのかも知れないわ。
 私は構わないのよ。あなたが麻子ちゃんを慰めてあげても・・・」
「そう言うお前はどうなんだ?オレだって、原島の奴がオマエに色目を
 使っている事ぐらい知ってるぞ」
「まあっ、ご存知だったの?」

我が社に備品を納入する営業マンの原島豊は、
ちょくちょくと私に誘いをかけていました。
聞いたところによると、彼は名うての年増キラーで、
年上の女にしか興味が持てないという話でした。

「オレが麻子を抱くから、おまえも原島に抱かれろ、
 オレたちは、いままで何でも一緒にやってきたじゃないか。
 原島は、あの通りの色男だ。オマエだって、満更じゃあるまい?」
「あなたったら・・・何でもお見通しなのね」

こうして私達はお互いにお墨付きを与え、自分の娘たちよりも若い相手と
情事を重ねる様に成ったのです。けれども、原島豊と川西麻子には公認の浮気
と言う事は内緒にしていました。


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若い性を共有する享楽夫婦。其の五

◇ダイナマイトペニス◇
若い性を共有12
ベッドに投げ出され服を脱がされると、恥ずかしさが滲み出ます。
部屋の電灯は、煌々と灯されたままでした。
ランジェリー、ブラジャー、パンティが、ベッドの足許に放り投げ出されました。
原島との関係が増えてから、私は下着に金をかける女になっていました。

「ママ、ママ・・・僕のママ!」
二十代の原島目には、五十女の裸体は一体どんな風に映っているのでしょうか。
真意はともかく、原島は私の肉体を何時も心を込めて愛撫してくれるのです。

正直言って、私はすでに自分の肉体に自信を失っています。
体と言っても年が年ですし、子供を二人産んでいるのです。
けれど、原島は私の肉体に賛辞を惜しみません。
こちらが気恥ずかしく成る様な美辞麗句を並べて、
私の気分を昂揚させてくれるのです。

「ママの肉体は柔らかいな。こうやって重なっていると、僕まで蕩けちゃいそうだよ。
 僕は、ママのオッパイが世界で一番好きさ。
 若い娘のオッパイは確かに張りがあるけど、
 固すぎて何だか拒絶されてるような気がするんだ。
 その点、ママのオッパイは僕の全てを受け容れてくれる感じなんだよ。
 愛してるよ、ママ!」

どこまで本気かは分かりませんが、女とはお世辞に弱い生物です。
ここまで言われて、女心が疼かないはずは有りません。
「ママだって、豊の肉体が大好き。弾みそうな筋肉に抱かれているだけで、
 ボーッとしてしまうわ。豊とじゃれていると、こっちまで若返るような気がするの」

豊と肉体関係を持つまで、私には若いツバメに溺れる中年女の
心理が分かりませんでした。けれども豊とこうなってみて初めて、
年下の男の可愛らしさや魅力を嫌と言うほど思い知らされたのです。


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若い性を共有する享楽夫婦。其の六

◇四人だけの宴◇
若い性を共有15
親睦会と銘うって、夫が私と原島豊、川西麻子を一堂に集めて
酒宴を開く事が屡有りました。不倫をしている者同士二組が顔をあわせるという行為は、
私達夫婦にとっては中々興味深く、かつ刺激に富んだ戯れだったのです。

その一方で、原島と川西麻子の心境はかなり複雑だったに違いありません。
私達夫婦と酒を飲みながら、彼等は何時もどこか落ち着かない様子でした。

私達は毎回、夫の行きつけの小料理屋で酒宴を催していました。
座敷の個室を借り切り、テーブルを挟んで私と原島、夫と川西とが隣り合わせに
座る様夫が段取りしたものでした。

「そろそろ、原島君も身を固めんといかんな。やはり家庭がしっかりしていないと、
 男は仕事に打ち込めないよ。田舎のご両親も心配していらっしゃるんじゃないか?」
酒宴となると、決まって夫は原島の結婚話を持ち出しました。
すると、これまた約束のように原島はこう答えるのでした。

「はあ・・・。しかし、なかなか良い人が見つからなくて、
 社長のお宅を見ていると、本当に羨ましくなるのですが、
 奥さんのような方がいれば、何時でも結婚したいと思ってます」

そう大胆に言い放ったあと、必ず原島は私に意味有り気な視線を送ったものです。
この視線にぶっかると、私は柄にもなくドキマギしてしまいました。
「ほう・・・ウチの女房が理想なのかね。こりゃあ、原島君も目が高い。
 私もこいつと結婚して、本当によかったと思っているんだ」

冷やかすように夫に見詰められると、こんどはイタズラを見つかった子供よろしく
首をすくめる私でした。私を挟んで男二人が火花を散らしているさまは、
けれど何とも快いものでした。

「お年頃と言えば、麻子ちゃんももう二十三だったわよね。どうなの、結婚の予定は?」
次は私が川西麻子をからかう番でした。
矛先が自分に向けられると、忽ち麻子の雪白の頬が紅潮し、
「私も・・・、まだ結婚なんて考えていません」
「まあ、あなたほど可愛らしい人に、恋人がいないなんて信じられないわ」


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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

*このサイトは未成年にふさわしくない成人向け
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