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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 2014年03月
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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」

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老人の貪欲な舌。其の一

◇男なしでは居られぬ女
img_right.png
男も七十を過ぎて年金暮らしになれば、人生はもう終わったようなものですが・・・。
私の様な職人は七十までは何とか経験を生かした現場仕事にもありつけたのですが、
今では、見積もり依頼や、仕様書作りと、図面作成等、
パソコン相手の仕事しかありません。
元来私は体を動かす仕事が好きで、若い頃からの“電気屋”一筋で
全国を駆け回って居りましたので、デスクワークは苦手なのですが・・・。

“年齢制限”と言う壁は如何ともしがたく、大手の工場では入門もさせてくれません。
其れでも見積もり依頼や設計仕事で慣れ親しんだ“業界”とのご縁が未だ繋がって
居られるのは有り難いこと感謝しなければなりますまい。

こんな私にも、仕事以外の人生に未練も希望もあります。
いや若い頃より、もっと激しくこみ上げてくる情熱のようなものは、あるのです。
それは“女”です。

私は二十五年前に妻と離婚いたしましたが、それ以前にも、以後も、妻一人しか
知らずに生きてきました。べつに真面目一筋の性格でもありませんが、
仕事以外の事には余り関心を持たず、面倒くさがり屋で、余り愛想のいい人間では
ありません。それに姿かたちの見栄えが良いわけでもないから、女性にもてたと言う
記憶もほとんどなく、妻曰く“つまらない男”だったのです。

そうして私の人生もそろそろ終わりかという頃(65歳の時)一人の女性と出会ったのです。
その切っ掛けは、都内に住む甥っ子が有る日私を訪ねてきて、こう言ったのです。
「叔父さん、俺の愛人と会って、別れ話を付けて来て呉れないか」

甥っ子は私と違って男っぷりもよく、若い頃からよく遊んでいました。
そのころ小さな建設会社の部長をしていて金回りもよく、趣味のジャズバンドを率いて、
演奏活動をしていました。愛人も二人抱えていました。
しかし会社の業績に陰りが出てき始めて、
さすがにそんな贅沢もしていられなくなったという訳です。


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老人の貪欲な舌。其の二

◇神様が授けてくれた宝物
14031708.jpg
14歳年下の女の名は、恵美子。
あれから6年、今だに恵美子と関係を続けています。
一人前の分別のある男なら、後妻のくちを見つけてやるとか
そう言う事をしなければならない処だったのですが、私のすけべ根性が
どうしても恵美子を手放せなくてこの日まで来てしまいました。

まあ恵美子の方も、
私に情を移して呉れている、と言う事もあるのかもしれません。
二人とも人様の思惑や蔭口など人付き合いとか世間体とかに
あまり関心が無く、そういう部分でウマが合うところはたしかにあります。

入籍してくれとは言わないから、此の侭の関係を続けていたい。
などと言ってくれます。まったくいじらしくてすけべで、
本当に良い女だと思っています。

私達は横浜と吉祥寺の中間位置に有る私鉄駅の近くに、
安アパートを借りて、週二回程のペースで逢っています。
この6年間ずっとそうやって続けて来たのですが、恵美子も私も
それだけでは足りないくらいで、じつにまあスケベに遣りまくって来ました。

もしかしたら、恵美子との出会いが私の青春の始まりだったのかもしれません。
よく濡れる恵美子の体は、抱いても抱いても飽きる事がありませんでした。

ところが、ここにきてひとつ困ったことが起きてきました。
私は恵美子と出会うチョット前に大腸癌の摘出手術を受けて居りまして、
その後遺症か、はたまた、青春を取り戻そうと焦って遣り過ぎたからでしょうか、
まあ年齢相応の自然ななりゆきかもしれませんが、70を過ぎたあたりから、
ペニスが言う事をきかなくなってきました。

こう言う事はすこしずつ起きてくるのかと思って居たのですが、私の場合は、
アッと言うまでした。それこそもう、パチンコで打ち止めをいわれたようなものです。
やばいな、と気が付き始めてから、半年もしないうちに、もうすっかりだめに
なってしまいました。


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老人の貪欲な舌。其の三

◇勃起せぬ夜の舌使い
お気に入りの恵美子01
私と恵美子二人の為に借りたアパートは私の家からは一時間以上
離れて居りますが、時間は自由になるし、人に見つかって困る事も無く、
家賃5万円の古いアパートですが二人にとっては愛の巣であります。
私たちの部屋は二階のいちばん端で、隣は若夫婦が暮らしております。

泊まる事は年に二度か三度くらいで、事が終われば二人して、
渋谷界隈や新宿界隈を散策して別れるのが常です。
アパートですごす時は、大抵の場合、私が先に入って待っています。
ひと風呂浴びて身体の昂ぶりを作ったころに工場の仕事を終えた
恵美子がやってきます。

以前は一旦家に戻って家族の夕食を作ってから来ていたのですが、
一人娘が短大を卒業し社会人に成った今は夕食は母親に任せて
この頃では会社から直接来る様に成りました。

以前は会って居られる時間は2時間程度でしたが、この頃は3.4時間
タップリとその塾れきった身体を愛撫出来る様に成った、というわけです。
家族は恵美子に愛人が居るらしいと薄々感づいているらしいのですが、
独身の恵美子ですから家族は何も言わない、との事です。

しかし、アパートで一緒に食事をすると言う事は、まずありません。
取りあえず、セックスです。で、終わってから外で一緒に食事をして
別れると言うのが、この頃のパターンです。
「お金が勿体ないから、あたしがアパートで作るわよ」
と、恵美子は言うのですが、工場で働いてきた彼女にそこまでさせたくないし、
そんな時間があれば、その身体を舐めまわしていたいとも思う訳です。

部屋に入ってきた恵美子に、風呂にも入らせません。
私は、その汗や体液の匂いも味も大好きなのです。
勿論恵美子は最初とても恥ずかしがったのですが、
その恥ずかしい分自分の身体も尚熱く燃え上がると言う事が解って、
次第に進んで身体を投げ出して来る様になって行きました。


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老人の貪欲な舌。其の四

◇汗と体臭と肉壺に塗れて
お気に入りの恵美子
よく飽きないものだと言われそうですが、
私もまた恵美子と会って居ない普段の時、
鼻の先にそのまったりとして甘酸っぱい匂いが掠めたりして、
それだけで、もうそのみっしりと肉が詰まった裸の形やベトベトに成った
割れ目の様子が目の中に浮かんで来て堪らなく成る事が有るのです。

私は、昔から「気を紛らわせる」という事が下手な性分でした。
嫌な事は、何時までも引きずって思い詰めてしまいます。しかしだからこそ、
恵美子とのセックスの興奮もまた頭にこびりついて離れないのかもしれません。
だいたいセックスの興奮などと言うものは、ちょっとした恐怖というか、
まあ一種のストレスの様なものだろうと私は思って居ます。

だから「気を紛らわせる」ことの下手な私や恵美子の様な者ほど
スケベになってしまうのではないでしようか。
神様は、誠に平等です。そうしてもうすぐ死んでしまう歳のせいも
あるのでしょうが、今の私はもう一年中セックスの事ばかり恵美子の
スケベで嫌らしい身体の事ばかり考えて暮らして居るのです。

恵美子の身体を裏返しにして、まず、
「でっかい尻だなあ」
何時もそう呟きました。
「ああん、もう・・・」
恵美子はすねた様に鼻にかかった声を出しながら、
そのまんまるに張りつめた二つの膨らみを揺らせます。

そして私は、深くえぐられたふたつの山の谷間に顔を埋めてゆき、
暫くじっとして居る事も有ります。この柔らかくボリュームたっぷりの弾力は、
私をうっとりと夢心地にさせます。たとえその時恵美子がオナラをしたとしても、
ぜんぜんオーケイです。恵美子も、私にこんな風にされる事は判っているから、
私と逢う日は、朝トイレを使ってからシャワーを浴びる習慣に成って居るようで、
その菊門の穴辺りはいつも比較的清潔です。
そんな気を使う必要はないのですがね。
少々黄色いものがこびり付いて居たって、喜んでそれも舐めてあげることは
出来るつもりです。
  1. 合縁奇縁
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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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