再編集・芸者君香。其の五
◇小さな紙包み
その事があってから暫くして、何かの機会に君香には年老いた造り酒屋の旦那が有って、
『娘の頃から閨のテクニックを仕込まれて居る』と言う事や、アルコールが入ると、
宴席の客の前でも裸になる『露出症』気味だと言う事を聞き、一寸厭な気がして、
その時は、彼女とは余り深入りしないでおこうと思ったものでしたが、
男女の縁と言うものは思い通りにはならないもので、
それから後も何度も体を交える機会に出くわしたのです。
翌年のゴールデンウイークが終わって暫く経ったある日のことです。
高校の頃の友人と偶然に街で出会い、夕食を一緒にとる事になったのですが、
何時かの忘年会の料亭が近くに有る事を思い出し其処へ誘いました。
帳場で、君香を部屋へ呼んで貰えないかと頼むと、暫くして、
紺地の浴衣を着た君香が姿を現し、私の顔を見ると、
「あラ、あラ、珍しい御方が現われたわね。如何言う風の吹き廻しなんだろぅ」
と、眼を細めます。
友人も私も、車で来ているので殆ど酒を飲む積りはなかったのですが、
それでは余りに愛想が無いと思い、ビールを取って、飲みながら、
君香にも勧めました。そうなるとビールの本数が増えて、
殆どは彼女の口に入りました。
「この間、仕事で九州に行って熊本でこんな物買って来たんだ。君に進呈するよ」
食事の途中で急に思い出したように、友人は持っていたカバンの中から、
小さな紙包みを取り出して、私に呉れました。
何を呉れたのかと、目の前で早速包装紙を破って中を見てみると、
肥後ズイキで出来た性具のセットでした。
「まあ、何なの、これ?厭らしい恰好してるモンが入ってるけど?」
君香は知ってか知らずか、ズイキを竹の芯か何かに巻き付けて加工した
「張形」を手に取って、伺うようにそっと私の顔を覗き込みます。
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「物知りの君香姉さんでも知らない事が有るんだね。
これが有名な肥後のズイキと言う物だよ」
「まあ、これが肥後ズイキ?私が知ってるのは、こんなのとは違うわ。
それ、男の人のお道具にグルグル巻くのよ」
「それなら、これさ。これを、酒に浸して使うんだよ」
私は箱の奥の方に入っている一本なりの長いズイキを取り出して見せました。
友人はそんな私たちの会話を、ニヤニヤしながら聞いていましたが、
不意にトイレへ立って行きました。
「あァ、暑いわ・・・」
私と二人切になると、君香はそう言って、浴衣の胸をはだけ、乳房の深い谷間を
ちらつかせながら、掌を扇子代わりにして手風を入れ始めました。
噂の通り、アルコールが入ると、肌を見せたくなる性癖らしいのです。
そのままにして置いたら、裸にでもなりそうな気配でした。
何時かの夜の君香との事を思い出していると、その心中を読んだように。
「ねぇ、此処が終わったら、何処かへ連れて行って」
と、不意にしな垂れ掛ってきました。
「そうだあぁ、オレなら此処を出て近くの喫茶店で待ってるから、
君香も適当にやって来るかい・」
「ええ、いいわよ」
そんな訳で、食事の後、打ち合わせておいた喫茶店で待ち合わせて、
再び郊外のラブホテルへ出かけて行ったのです。
その事があってから暫くして、何かの機会に君香には年老いた造り酒屋の旦那が有って、
『娘の頃から閨のテクニックを仕込まれて居る』と言う事や、アルコールが入ると、
宴席の客の前でも裸になる『露出症』気味だと言う事を聞き、一寸厭な気がして、
その時は、彼女とは余り深入りしないでおこうと思ったものでしたが、
男女の縁と言うものは思い通りにはならないもので、
それから後も何度も体を交える機会に出くわしたのです。
翌年のゴールデンウイークが終わって暫く経ったある日のことです。
高校の頃の友人と偶然に街で出会い、夕食を一緒にとる事になったのですが、
何時かの忘年会の料亭が近くに有る事を思い出し其処へ誘いました。
帳場で、君香を部屋へ呼んで貰えないかと頼むと、暫くして、
紺地の浴衣を着た君香が姿を現し、私の顔を見ると、
「あラ、あラ、珍しい御方が現われたわね。如何言う風の吹き廻しなんだろぅ」
と、眼を細めます。
友人も私も、車で来ているので殆ど酒を飲む積りはなかったのですが、
それでは余りに愛想が無いと思い、ビールを取って、飲みながら、
君香にも勧めました。そうなるとビールの本数が増えて、
殆どは彼女の口に入りました。
「この間、仕事で九州に行って熊本でこんな物買って来たんだ。君に進呈するよ」
食事の途中で急に思い出したように、友人は持っていたカバンの中から、
小さな紙包みを取り出して、私に呉れました。
何を呉れたのかと、目の前で早速包装紙を破って中を見てみると、
肥後ズイキで出来た性具のセットでした。
「まあ、何なの、これ?厭らしい恰好してるモンが入ってるけど?」
君香は知ってか知らずか、ズイキを竹の芯か何かに巻き付けて加工した
「張形」を手に取って、伺うようにそっと私の顔を覗き込みます。
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「物知りの君香姉さんでも知らない事が有るんだね。
これが有名な肥後のズイキと言う物だよ」
「まあ、これが肥後ズイキ?私が知ってるのは、こんなのとは違うわ。
それ、男の人のお道具にグルグル巻くのよ」
「それなら、これさ。これを、酒に浸して使うんだよ」
私は箱の奥の方に入っている一本なりの長いズイキを取り出して見せました。
友人はそんな私たちの会話を、ニヤニヤしながら聞いていましたが、
不意にトイレへ立って行きました。
「あァ、暑いわ・・・」
私と二人切になると、君香はそう言って、浴衣の胸をはだけ、乳房の深い谷間を
ちらつかせながら、掌を扇子代わりにして手風を入れ始めました。
噂の通り、アルコールが入ると、肌を見せたくなる性癖らしいのです。
そのままにして置いたら、裸にでもなりそうな気配でした。
何時かの夜の君香との事を思い出していると、その心中を読んだように。
「ねぇ、此処が終わったら、何処かへ連れて行って」
と、不意にしな垂れ掛ってきました。
「そうだあぁ、オレなら此処を出て近くの喫茶店で待ってるから、
君香も適当にやって来るかい・」
「ええ、いいわよ」
そんな訳で、食事の後、打ち合わせておいた喫茶店で待ち合わせて、
再び郊外のラブホテルへ出かけて行ったのです。
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ご挨拶
Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。
生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。
*このサイトは未成年にふさわしくない成人向け
(アダルト)のコンテンツが
含まれています。「アダルト」とは
「ポルノ」のみを指しているのではなく、
社会通念上、
18歳未満の者が閲覧することが
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