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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 「加筆再構成」雪乃その恋。其の二
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「加筆再構成」雪乃その恋。其の二

第二章
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中学時代の雪乃の成績は何時もクラスでトップ、
全校生の中でも一位、二位を争う程に優秀であった。
男友達の噂も無く成績は優秀でクラスメートからは「ガリ勉」
とあだ名されるほどで有った。

高校受験を控えて、「志望校は決まったか」の高野の問いに、
母子家庭の経済事情では雪乃の描いている「夢」を
母親には語る事すら憚れる気がして、雪乃は悩んでいた。

学友は皆夫々の「志望校」を決めて、それなりに受験体制
に取り組んで居る中で、一人雪乃は毎日が悶々とした侭で過ぎていく。
そんな雪乃の暗い表情に気付いた高野は、放課後ジックリと
話を聞く機会を作ってやった。

「雪乃、今のお前の成績なら、県立はおろか私立の有名校だって
合格は間違いないぞ」
「何か心に思う事が有るなら言って見ろ」

「先生、私は将来医者に成りたいです」
「医者になって、無医村の過疎地に行って、老人や子供、
医者が居なくて子供も生めない、と悩んでいる人達の
手伝いがしたいんです」
「でも今の私の家の経済状態では医学部は目指せません」
「こんな話を母にすれば、母を追い詰めるだけで
これ以上母に苦労はさせられません」

「雪乃の夢は素晴らしいと思うよ、良く話して呉れたね」
「その夢は是非実現させたいね」
「母子家庭に対する「奨学金制度」は「国や県や市」の
公的制度も色々有るし、私的財団などの助成制度も
調べれば有ると思うよ」
「俺が徹底的に調べてあげるから、お母さんにもお前の
夢を話して上げなさい」
「お前の夢を実現させる為にも、家族の協力は不可欠だよ」
「学費の負担はお母さんにさせずに、お前が世の中に出てから、
おまえ自身が返済して行くんだよ」

「そんな事が可能ですか」

「可能さ、世の中は良く出来たもので、努力する人間には
必ず救いの手が用意されて居るものだよ」
「俺の教員生活の中でも、雪乃位優秀な生徒は居なかった」
「学費など事は俺に任せてお前は勉強の事だけ考えて居ればいい」


そして数日後、授業が終った時に高野は雪乃に語りかけた。
「雪乃、幾つかの資料を取り寄せたから、お母さんの都合を
聞いて、一度学校に二人で来てくれ、早い方が良いが、
今週末、如何だろうか」

「母はパートで働いてますが、先生から話が有ると言えば
何時でも時間は作って呉れるはずです、今日帰ったら
話してみます、土曜日で良いですね」

「あぁ昼一番で来てくれる様に話してご覧」

20年も前の未だ雪乃が中学時代は、
今の様に隔週5日制等では
無く午前中は毎週授業が有る時代で有った。

 
第三章
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雪乃の母が学校を訪れたのは4時限目が終る直前であった。
廊下で授業の終るまで、待っていた母の耳に、
「雪乃のお母さんですね、もうじき授業も終ります、
校長室を案内しますから、其処で暫く待ってて下さい。
校長が是非お母さんに会いたいと言ってますから」と
高野は雪乃の母、照代を校長室に案内した。

高野は照代を校長室に有る応接間に案内し、
「私はホームルームが有りますので15分程経ったら、
雪乃を連れて此処に来ます。
校長も其れまでには来るでしょうから、コーヒーでも飲んで待っていて下さい」
と備え付けのコーヒーメーカで温かいコーヒーを造ってテーブルの上に置いた。

終業のチャイムが鳴って、校内が慌しく成り、廊下を駆け回る音と
生徒達の笑い声や、ふざけ合う声がこだまして来る。

雪乃と高野、そして校長が連れ立って応接間に現れた。

「私が校長の坂本です、雪乃さんの事は高野先生から聞かされてます
当校一の秀才の誕生で、私も期待して居ったのです」
「医学部へ進みたいとの事、将来の事も確り見据えて居られる様で、
頼もしい限りです、お母さんも大変でしょうが、学費等の事は心配
なさらずに、雪乃さんを応援して遣って下さい」

「雪乃の母で御座います、何時も何時も雪乃に目を掛けて下さって
有り難う御座います。医者に成りたいと聞かされたときはビックリしました。
出来る事なら娘の夢を実現させてやりたいと思います、宜しくご指導
して遣って下さい。」

「お母さん大丈夫ですよ、雪乃程の成績が取れる子なら、手立ては
幾らでも有ります。
私が調べた範囲で、二つ程プランを立てて見ました。
一つ、国立大学の医学部を目指して行くコースで、
県立○○高校を目指し、東大か横浜国大の医学部を目指す。
二つ、私立医科大学系列の高校からストレートで行くコースで
市内に有る聖○○大学の付属高校に入り大学までの奨学金
制度を受けるコース等です」
「これ等を参考にして、雪乃とジックリ相談してください。
お宅の家庭の事情は一応聞いては居ますが「母子家庭」で
有る事が決してハンディーには成りません」
「雪乃の夢を実現させて上げましょうよ」

「先生方のお骨折りには、本当に有り難く涙の出る思いです、
私は中学しか出ていない無学の女で、今でもパートの
仕事を探すのにも苦労しています」
「そんな私の娘が最高学府を目指せるなんて夢の様な話です、
皆様の期待に答えて立派な医者に成って貰いたいです」

「いやいや日頃のお母さんの頑張りを見て育った雪乃です、
どんな険しい難関でも突破して行く子ですよ、
お母さんは、あなた自身健康面にも気をつけて、雪乃の健康管理
を確り目配りして遣って下さい、雪乃は人一倍頑張る子ですから
健康管理だけが心配です」
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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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