良寛と貞心尼。其の四
私が会社に出勤る時間はそれまでより十分早くなりました。
事務所の鍵を開けて着替えた頃修三が出社してきますと、
彼の部屋に追って行き口付けし、息が止まる程抱き締めて貰います。
紅を塗り直して、女性社員が出勤して来る頃、私はさりげないお喋りをしながら
彼の机を拭いています。週一回の休日の前夜までの間に一日は帰りに食事を
一緒にし、翌日がお休みの夜は、ホテルで狂ったようなひと時を過ごす事が
習慣の様に成っていました。
しかし独り身の私と違って修三にはご長男夫婦が同居しており、帰りの食事はともかく、
ホテルでの逢瀬は何時しか月一回に成っていました。
その昔柏崎と長岡の山古志村とに別れて住んでいた良寛禅師と貞心尼も
恐らくお会いして身体を重ねあう事の出来たのは月に一度か二月に一度ほど
ではなかったてしょうか。
その頃良寛様はすでに人生の終着駅に近づきつつありましたが、私貞心尼の方は
間だ残の色香の失せやらぬ年増女の盛りであり、頭を丸め、黒染の衣は着ていても
その立居振舞いの隅々には、こぼれるような色気が漂い腰巻の中に隠された女性器
は男を求めて濡れていたに違いないのです。
現世の私も其の頃ではお互いに体の隅々まで曝けあいセックスの手順も
心得合っていました分、私は我慢出来ず、修三が其の時間、
外出した事にして昼の時間、彼の部屋に施錠させ、
その中で声を殺して彼の愛を求めるようになりました。
私の意識はまた190年前にタイムスリップしておりました。
腰巻を外し下だけを露にした貞心尼を横たえ、片足を背に上げさせ、もう一方の足は
床に下ろした酷い姿に被さるようにお師匠様は陰唇を舐めます。陰核を弄られ、
吸われると忽ち昇りつめるような快感に震えますが、こんな状態での交わりですから
貞心尼(私)は早く嵌めて欲しいのに、殿は褌の間から出したものを握らせたまま、
膣の中に指を入れて掻き回し、貞心尼のぬめりを付けた指を肛門に入れ抜き差しします。
親指の頭で陰核を擦られ、長い中指で肛門を探られますと口に噛んだ指の間から、
「ひぃーっ」と声を洩らしてしまう貞心尼です。その身体を引き起こして横に座り、
殿は半立ちのものを手で擦らせます。
「濡らして」とせがむ貞心尼をお師匠様は口に含もうとするのを押し止めて、
何度も手に唾をとり、扱かれるのが良いと言い、貞心尼の逸る気持ちも知らぬ気で
顔を見つめ、うっとりしているのです。貞心尼は焦れるのですが、
「貞心!て・い・し・ん・・・」声を殺して貞心尼の肩に抱きついて、
輪にした指の上に吐精されると、膣の奥がジーンとしてしまうのは、
やはり殿を愛して居るからなのでしょうか。
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終わると、殿はさっさと身繕いします。貞心尼はわざとゆっくり腰巻を着け、
二人の後始末した桜紙を殿の衣の袖に入れて遣ります。
口吸いに少し冷たく応えて、庭に通じる木戸から出て托鉢に行きます。
お師匠様が托鉢に出掛けない日は、貞心尼を後ろから抱いて嵌めて呉れますが、
大きな鏡を前に置きます。そんな時貞心尼法衣を脱がされ前をはだけられ、
乳房を揉みたてられながら、殿の陰茎を陰唇が咥えて居るのを目にさせられます。
自分のお汁で陰茎が濡れ濡れに成っていくのを見て興奮する貞心尼に、
殿は乳房から放した手で拡げながら、もう一方の指で陰核を擦りますから堪らず、
「ああーっ、効くーっ、だめーぇ、イッチヤウヨーっ」
とのけぞり、お師匠様の両腿においた手に力が入り、爪を立ててしまいます。
赤く膨れたいやらしい陰唇が濡れて光り、剥けた陰核が擦られて居るのです。
お師匠様が更に貞心尼の両足を持ち上げ拡げると、
「しっかり見るんだ」とお尻を大きく上げ下げさせるので、
周囲を憚る心配が一層興奮を募らせて、頭の中で何かが弾け、
「もうだめーっ、いってーぇ、一緒にいってーぇ!」
「貞心!て・い・し・ん・・・」と二人は同時に気を遣ります。
ぐったりして布団に横たわる貞心尼の陰唇から流れるものを桜紙で拭いてくれた、
殿の手がそこから離れず、優しく触り続けるとき、又気が行くのでした。
そんな時間が取れるといってもやはり周囲を気にしないで思うさま乱れたい
欲望が突き上げて、せめて一夜一緒に居たいとお師匠様におねだりしました。
思いがけなく近場の温泉宿に連れて行ってもらった日。
露天風呂に二人だけで浸り、夕陽がきらめく波間を行く小さな舟に見とれて、
この夜を生涯忘れる事は無いだろうと思いました。
岩に凭れたお師匠様に縋り、乳房を弄られながら殿のモノに手をのばし、
「大きくしてあげようか?」と聞くと、「夜の楽しみに・・・」と腰を引きますが、
ご自分は貞心尼の陰唇をくじり、陰核を擦るものですから、もう燃え上がってしまい、
お師匠様が入れた指を挟んだ儘殿に跨り、首筋に抱きついてお尻を揺すりますと、
お湯に負けない熱いお汁が膣に溢れて来ます。
「お願い、一寸だけ入れて・・・」
恥も外聞も無く、貞心尼は岩に手を突き大きいといわれるお尻を殿に突き出しせがみました。
お師匠様は岩と貞心尼の隙間に頭を入れ、両手で陰唇を一杯に広げ陰核を嘗め回しますから
堪りません。「あぁーん」貞心尼は殿の髪を掻き毟り、思い切り口に押し付けて遣りました。
**
「美味しい・・・、若い女の匂いだ」グジュグジュとわざと音を立てて吸われ、
「してーぇ!入れてーぇ」と腰を振るうち、「いくーっ!いっちゃうよー」と気を遣ってしまい、
ぐったりした貞心尼を膝に横たえたお師匠様は大きく口を開け、乳房をまるごと咥えて扱くように
吸い込みます。「ああーっ」それに弱い貞心尼が、また声を上げますと、殿は掌で陰部を
包み込むようにして揉みながら「またお乳大きく成ったんじゃないか?」と耳元に囁きます。
仕返しに殿のモノを握り捻る様にしてあげますと、それは大きくなっていました。
「立って・・・」最初の時、お風呂で立たされた恥ずかしさを思い出してお師匠様の腕を引くと、
私は膝立ちになり、殿を立たせました。
若くないのですから天を突くと言う訳にはいきませんが殆ど水平に伸びた陰茎が
目の前にあります。根元を片手で押さえ一方で皮を一杯引き下げてやりますと、
赤黒い亀頭を口をすぼめて含み頭を前後させますと、
「うぅーん」と一層腰を突き出しました。
陰茎のくびれのところを口で絞り、
頭のところへ引くときは少し開ける様にすると
飴玉をしゃぶっているような感じですが、「男」そのものですから、
やはり私自身も興奮してきてとうとうお師匠様のお尻を抱え、
喉につかえるまで咥えてしまいました。
下に下がっているお玉が邪魔に成りますので、
片手でそっと掴み、締めたり緩めたりしてあげますと殿は、
「いいよー」と喜び私の頭を掴んで動きを強めますから、
勢いがついて喉の奥を突かれた時は苦しくて涙が出ました。
「舌を絡めて呉れ」とお師匠様が言います頃には口の中は唾だらけ、
流石に首がだるくなって、「手で出してあげる」と言いました。
岩に腰を下ろさせて私はしゃがみ、
亀頭を咥えて左手でお玉の根元を握り右手で茎を握ります。
お師匠様は心地良さそうに後ろに手をついて腰を突き出します。
貞心尼も良くなって来て殿の脛に陰唇を擦りつけ居ました。
「ていしん・・・いくよ・・・」頭を押し退けようとする殿に首を振り、
「いってぇ、お口に頂戴」
と見上げ右手の指で一層激しく扱きますとお師匠様は快感に顔をかしめ、
私の名を呼びながら髪を掴み、「うーっ」と身震いして吐精しますので、
噎せながら飲み込んであげます。
「よかった?」と聞くと、「堪らなかったよ」と言う言葉が嬉しく胸が熱くなりました。
お湯から上がりシャボンを手に塗り、向き合ったままお互いの体を擦ります。
殿が脚を開かせて陰唇を拡げ、桶に汲んだ熱めの湯を注がれた時は思わず、
「ばあかーっ」と言ってしまいましたが、
お尻を触って呉れなかったのは少し不満でございました。
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ご挨拶
Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。
生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。
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