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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 時代小説
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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」

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時代小説・旅道連越路春。其の一

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春01
~はしがき~
玉の盃底ある読者の巌命もだし難く、ようよう旅の用意を整えた気まぐれ男二人、
このたびは江州長浜を起点に越前を横断して、温泉加賀より能登越中越後と、
北陸街道を新潟までの道中記。
雪国ながら弥生の春の木の芽どき、色は思案の時と場合の出たとこ勝負。
その閨房の秘め事を、有るがままの筆すさび、いと赤裸々にものしたれば
夜長の床の徒然に、しっとりお楽しみあれと云う成り・・・

◇宿の女房玄庵に欲情する事
山陰道を出雲大社に参拝を済した玄庵と伊助の両人は一先ず名古屋に帰り
冬篭りをしていたが、二月も半ばを過ぎて春の兆しを感じると、
もうじっと落ち着いては居られず。二月の末方旅支度整えると、
今度は北陸方面を目指して旅立つ事に成った。

長浜まではなんの話も無く、余呉湖を経て湖北飯浦の絶景を見物した上、
野坂から峠を越えて沓掛まで来た時はもう暮六つ(午後7時前後)だったので、
大黒屋と云う旅籠に泊まったが、田舎の事で部屋も素人家のようだったし
他に泊り客も無かった。

女中の酌で例の通り湖魚を肴にして一杯傾けると、玄庵は宿に着いた時から
出て来たこの家の内儀のことが気に成り出した。

未だ三十路には少し間があるようだが、肉付きの良い色っぽい女で容色も
満更でなかった。
「女中さん、ここのお内儀さんは中々別嬪だね」
「そうですわ。肌なんか滑々と女でも惚れ惚れする程ですわ」
「亭主の顔が見えないね」
「この宿の女将さんの内職みたいなものですよって、
 主人は彦根の方へ働きに行ってるのです」
「すると、毎晩帰る訳には行かないね」
「えゝ、もう半月も帰りませんのよ」
「するとお客がない時は女将さんと二人切りかえ。それとも、
 誰かいい人でも泊まりに来るのかね」
「ご冗談ばっかり、そんな人はありませんわ」
「それは淋しいね。ところで女中さん、おめえ名前はなんと云うのだね」
「お信と申しますの」
「お信さんか、可愛い名だね。どうだお信さん、おめえこの伊助さんを
 良い男だと思わねえか」
ずばり云われると流石の伊助もちっと赤くなった。


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時代小説・旅道連越路春。其のニ

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春04
◇玄庵に内儀の飢を医す事
玄庵の男根はムクムクとおえ勃って来た。
しばらく片手で乳の辺りを撫でていた玄庵は、段々興奮して来ると、
其の手を裾から下腹に入れた。

「あれェ、先生」
内儀は本能的にちょつとその手を押える、
「恥ずかしがる事無いよ」
そう云ってなで廻す玄庵の慣れた手先は忽ちお豊を夢中にした。

お豊が大人しく玄庵の為すが儘にしていると、腹の辺りを撫でていた玄庵の
手は段々と下におりて陰毛の上から内腿の方まで滑ってきた。
流石に商売柄、女の喜ぶ急所を心得ているだけに、内儀はもう鼻息さえ荒く
愈々逆上して、早く何とかして呉と云わんばかりに身をくねらせるのだった。

頃合良しと思った玄庵がいきなり指先を陰門に入れると十二分に兆していた
内儀の陰門は、臀の辺りまで淫水を流していたので、ヌルリ奥まで滑り込んだ。
玄庵は二本の指で陰門の奥をかき廻す様にくじりながら、
拇指の腹を陰庭当ててヌルヌルと撫で廻すと、
「あーっ、エエ、エエわ、エエわ。先生もう堪りませんわ。早く入れて」
と、恥ずかしさも忘れて、大きく内股を拡げながら、腰を揺すったのは、
さすがに色気盛りの脂ぎった中年増だけの事は有った。

玄庵は心得て、女の帯を解き前を拡げて、下に締めていた緋縮緬の
腰巻を取ると、円く盛り上がった白い下腹から内腿の辺りや、
黒いシャリシャリとした陰毛の辺りの瑞々しさ・・・。
それを見ると玄庵はカッとなって、内儀の身体を横にして、
その右の太腿の上に跨り、左の腿を上に持ち上げて、大きく広がった陰門に
例の太い雁高な男根を押し付けて、ぐっと腰を押すと交合馴れのした陰門だけに
ヌルリと半分程這入ったので玄庵はヌイヌイと腰を遣いながら、
ぐっと力を込めて根元の毛際まで一杯に押し入れてしまった。

「あーっ先生堪らんわ、どうしょう」
多分内儀はこれまで玄庵程の太い大きな男根を入れた事が無かったのか、
陰茎が根元まで這入った瞬間から、すっかり取り乱してハァハァスンスンと
夢中でよがり声を上げながら眉をしかめ顔を真赤にして、グイグイと毛際に
陰門を押し付けるものであった。


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時代小説・旅道連越路春。其の三



*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春06(越前敦賀の気比の松原)
◇女中の夜這いを捕えて見れば
翌日は名残り惜しんでせめてもう一晩と、昨夜の荒淫にも飽きずに引止める
内儀を後に、宿を旅立ったのは五ッ(朝の9時前後)過ぎの刻限だった。
「先生、昨夜はお疲れでげしょう」
「何を云ってやがる、お前こそとんだ良い拾い物をしたじゃねぇか、
 どうだあの女はぽっちゃり肥えて居たから加減がよかったろう」
「冗談でしょう、あの内儀こそ年増盛りの色っぽさで。
 さすがの先生も今朝は顔色がようござんせんぜ」
「莫迦云わっしやい。俺はあんな女の一人や二人引き受けたって、
びくともしやしないよ。しかしあの女は見かけによらぬ濃厚さだったよ」
「てへッ、堪らねえや。朝っぱらから惚気ですかい」
「何だ、てめえから云い出しときやぁがってハッハッハ」
「てへゝゝゝゝ御馳走様で」
冗口を聞きながら、疋田道口と云う在所を経て越前敦賀に着いたのは
七つ半(午後5時ごろ)だった。

二人は福井屋甚兵衛と云う宿に泊った。海辺だけに夕食の膳には
新鮮な刺身や蟹などがついていたので、思わず酒を過ごして寝床へ這入ったのは
四つ過ぎ(午後11時過ぎ)だった。

何時もの通り別々の部屋だったが玄庵は昨夜の内儀の息苦しい様な
情熱を思い出し、何時までも眠れなかった。すると廊下を盗むような足音がして、
やがて静かに障子を開ける気配がした。
行灯は消してあったので姿は見えなかったが、近づくと女の匂いがした。

玄庵は枕さがしに違いないと思ったので、いきなり側に来た女の手を掴んで
抱きすくめたが、女は声も立てなかったので、枕元にあった行灯の火をつけた。
見ると宵に給仕に来た田舎くさい新米らしい女中だった。
「何だ、お前だったのか」
「済みません、間違いました」
「間違えたって、何を間違えたのだい」
「もう一人の方が遅くなってから部屋へこい、と仰いましたので」
女は赤く成っていた。
「お前、それで部屋へ行ったら何をされるのか、知っているのかえ」
「えぇ、それは・・・」
と女は益々赤くなった。
「そうか、それなら突き当たりの部屋だから行ってやって呉れ。
 精々可愛がって貰って来るんだよ」
玄庵は一旦腕の中に飛び込んで来た小鳥を逃がしてやった。
女は恥ずかしそうに出て行った。


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時代小説・旅道連越路春。其の四

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春09
◇隣室の女喜悦する事
「あら、先生勝手な事をお願いして済みません。さアどうぞこちらへ」
と座布団を勧めた。
「どこかお加減がお悪いそうですね」
と玄庵がそう云うと、女はチョツト赤く成って、
「えゝ、別に病気と云うほどの事も無いのですけど・・・」
チョツト恥ずかしそうに言葉を切った。女は小浜の素封家小谷屋伊平の妻女で
お喜久と云うのであった。
「どこがお悪いのか知りませんが、わしは医者だから少しも恥ずかしい事は無い。
 兎に角、一度診察して見ましょう」
と玄庵はお喜久の脈を取ると、お喜久はその手を玄庵に預けたままで、

「先生、あたしの病気は脈では分りませんのでしょう」
「と云われると・・・」
「実わねぇ先生、お恥ずかしいのですけれど、私、あの時ちょつとも感じがありませんの」
そう云って一層恥ずかしそうに顔を伏せるお喜久の様子を見ると、
その意味が判ると同時に玄庵の男根は猛然と勃起して来るのだったが、
玄庵は凛と厳粛な顔をして、

「全然快感がありませんか、それとも偶には快く成る事も有るのですか」
「それがまるっきりありませんの」
「しかし、それだれではあなたの方に欠陥があるのかはっきりしないね。
 恥ずかしがらずにはっきり云って下さい。ご主人の道具は普通の大きさがありますか」
「よく判りませんけど、あれで普通と違うのかしら」
「どれくらい・・・」
「そんなこと先生・・・」
「構やしないよ、どのくらい?これくらい」
と玄庵は指で形をして見せると、
「そんなにありませんわ」
「このくらい」
玄庵は指の形を小さくした。
「もう少し小さいようですわ」
「それじゃ小さ過ぎますよ。それでも技巧が上手だったら間に合いますが、
 それで下手なら、あなたが何の感じもないと云われるのは、あたりまえですよ」
「そんならあたしの身体には故障がないのでございますか」
「無論ないと思うがねぇ」
「あたし、暫らくの間温泉で身体を温めたらと思って
 来たのですけれど、それではもう」
「折角来られたのだから、温泉で温めてくるのも宜しいが、
 それだけでは解決しませんね」
「先生、どうしたら宜しいでしょうか」
「わしが教えてあげても良いが、ご主人のある人にそんなことも出来ませんしねぇ」
「かまいませんわ、そんなことを云ってたらあたし、
 一生女の悦びを知らずに過ごさねば成りませんわ。
 先生お願いです、どんな事でもしますから教えて下さい」
お喜久は一生懸命で、恥じも何も忘れて玄庵に取りすがるのであった。


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時代小説・旅道連越路春。其の五

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春12(越前東尋坊)
◇温泉宿で玄庵立ち聞きの事
一度玄庵の類稀な性技で性交の醍醐味を知ったお喜久は、せめて温泉まで一緒に
行って呉とせがむので、玄庵も悪い気持ちもせぬ儘に、あくる朝、宿の者に見送られて、
七里の道を駕篭で金津に着き、今治屋久七方に泊り、其の晩も十二分にお喜久を
喜ばせた上、翌日、東尋坊を見物して、芦原温泉の三國屋に泊り、夕食後、
また温泉に浸かって来て寝床へ這入ると、火照りきった陰門に太い男根を押し入れて、
お喜久に随喜の涙を流させるのであったが、ここで玄庵は三日間滞在して、
昼と無く夜に朝方にとお喜久の求める儘に精の有りっ丈を搾り取られた。

愈々出立つとなると、お喜久は宿の払いを済ませた上で、玄庵へ餞別のつもりか、
これからの道中の費用にも余る二十五両の小判の包みを差し出した。
「お喜久さん、余計な心配はするんじゃねぇ、わしゃ金には不自由はないのだから」
「いいえ、これは先生に病気を治してもろうたお礼の印しですから、
 そんなこと云わないで納めておくんなさい。あたしの気がすまないのですから」

それまでに云うのに、たって断るのも心無いわざだったので、玄庵も気持ちよく
それを受けることにした。互いに後ろ髪引かれる思いで名残りを惜しみながら、
玄庵は吉崎の方へ、お喜久はまた福井の方へと駕篭でゆられて行く。

「伊助、気の毒だったね、つい情に引かされてね」
「ごもっとも様で。へゝゝお蔭で随分あてられましたよ」
「こぼすな。今に善い女を抱かせてやるからよ」
「冗談ですよ。あっしゃもうこうして気楽な旅を続けさせて貰ってるだけで、
 どんなに楽しいか知れやしません、女を抱くなんて冥利につきますよ」
「あんまりそうでもなさそうだぜ」
「そう云ってしまうと実も蓋もねえハハハハ」

二人は細呂木から『真宗中興の祖と言われる蓮如聖人』縁の吉崎御坊に参拝し、
有名な嫁おどし肉付きの面と云うのを見て、片山津温泉の菊屋と言う宿に着いた。

玄庵は宿の丹前に着替えると、浴室に下りて行った。
此処の温泉は大きく立派だったが、男女の混浴だった。急に玄庵は胸をときめかせた。
温泉の中には五、六人の男女が這入っていた。その内で夫婦者らしいのが二組、
互いに身体をくっ付けて首まで浸かっていたが、湯の中はどんなことをしているのか
知れたものではない。そんな中で一人だけ隅の方で浸かっている女があった。


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時代小説・旅道連越路春。其の六

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春15(加賀・山中温泉絵巻)
◇玄庵機智を以って女を得る事
翌朝、お珠達は駕篭を雇ったので、玄庵も駕篭に乗ってその後を追った。
二つの駕篭は大聖寺を経て山代温泉から山中の方へ向かった。
酒代をはづんで云い付けてあったので、
玄庵等の駕篭は先に行く駕篭を見失う事無く付いて行った。
お珠達は紅屋と云う宿に駕篭を下ろしたので、玄庵もその手前で駕篭を下り、
暫らくして、紅屋方へ這入って行った。

一風呂浴びて夕食を済ましても、まだ陽があった。
玄庵は宿の丹前を借りてぶらりと表へ出た。
西に薬師山、東に東山と、もう新芽の萌えだした春の山々が迫っている。
その間を大聖寺川の上流が幽邃(ゆうすい)な渓谷美をなして流れている。

女の事で頭が一杯だった玄庵だが、流石にこうした自然美に接すると心が清々しくなった。
玄庵はいつまでもそこに立っていた。
するとその時、向こうの森の陰から女の姿が現れた。玄庵がハッとして我にもなく
胸のときめきを感じたのも道理、何とそれはお珠だったのである。

側まで来るとお珠はニッコリと玄庵に会釈をした。
温泉で逢った玄庵の顔を覚えて居たのだった。玄庵も嬉しかったので笑顔を返した。
「こちらへ見えたのですか」
「えゝ」
とちょつと言葉を切ったが。
「中々良い処でございますねぇ」
さすがの玄庵もちょつとドギマギしたが、女も足を止めたままモジモジしている。
「あちらまで行ってみますか」
玄庵が歩き出すと女も黙って着いて来た。
暫らく行くと渓に望んだ人気のない藪の向こうに出た。其処にチョツトした草原があった。

「少し休みませんか」
「えゝ」
お珠は素直に玄庵の側に腰を降ろした。知らぬ土地で二度も逢った事に一種の
懐かしさを感じるのか、何だかお珠は縋るような眼差しを向けていた。
陽が暮れてから、お珠は何やら晴れ晴れとした顔で戻って来た。
それから暫らくして玄庵が戻って来た。


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時代小説・旅道連越路春。其の七

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春17
◇玄庵裸で縛られていた女を救う
女が気をやってしまうと玄庵は入れたままで、お珠の身体を海老の様に曲げて、
淫水の飛沫を上げてズボズボゴボゴボと責め立てたが、お珠はもう息も絶え絶え
半死半生で、自由にならぬ身体をくねらせて、しくしくとヨガリ泣きにすすり泣いて、
ひっきりなしに気をやるので、玄庵も堪らずドクドクと気を遣ってしまった。

烈しい交合が終ってしまってから、玄庵はお珠に六兵衛に戻す十両の金を遣った上、
別に十両と、旅費の足しにと小粒で幾らかを渡してやった。お珠は涙を流して喜んだ。
「先生に助けて頂いた上こんなにお金を頂いては」
「良いんだよ、明日六兵衛さんが眼を覚ましたらわしからも話をして遣るから、
 今夜はゆっくり眠るがいいよ」

翌日は酷い雨になった、玄庵は其の日はゆっくり滞在する積りで遅くまで寝ていた。
昼頃に成って眼を覚まして、何も知らずに恐縮している六兵衛に、玄庵から話して
お珠に金を返させた上、道中無事にお珠を連れて帰って貰うように依頼した。

六兵衛は玄庵を余程の身分の者と思ったらしく、それからはお珠にまで丁重になった。
其の晩は六兵衛が玄庵達を招待したが、昨夜に懲りたのかそれ程酒も飲まずに、
別に部屋をとらせて寝てしまった。
伊助も気を利かせて引き下がったので、後は遠慮のない差し向かい、口を吸うやら
吸わせるやら、はては玄庵の膝の上に乗って、淫水の流れる陰門をくじらせた上、
勃起させた太い男根の上に陰門を被せて、ぐっと根元まで押入れると、お珠は
両肢で玄庵の腰を巻いた。

こうして其の晩も玄庵はお珠を十二分によがらせた上、四五遍も気をやらせ、
翌朝、お珠六兵衛と別れて、其の日は粟津温泉に泊り、あくる日は小松、
翌日は寺井、粟生、水島で一休みして、それから拍野へ出る松並木の所まで来ると、
淋しい街道なのに人立ちしているので、何事だろうと思って覗いてみると、何と其処には
丸裸にされた女が松の木に縛られていて、側に紙切れが張ってある。

それには『この女間男致し候故見せしめの為此処へ晒し申し候、通り合せの方は
 思し召しにて自由に辱め下さる共異存無し之事候也』と書いてあった。

玄庵は好奇心から人を押し分けて側に行った。見ると女は二十五、六の色っぽい女で、
赤い腰巻一つのその肉体も玄庵の欲望をそそるのに充分だった。
玄庵は何とかして女に事情を聞いた上で助けてやろうと思ったが、周りにはまだ
六、七人がの立っていたので、傍の草の上に腰を下ろして人々の去るのを待っていた。

「先生、どうするつもりです」
「どうもこうもないよ。人をたすけるのは医者の役目だ。何も病気にかぎったことではないよ」
「イイ女だからでしょう。野郎だったら鼻も引っ掛けやしない」
「莫迦なこと云っちゃあいかんよ。情けに男女の区別は無い、一視同仁だよ」
「口は重宝なもんですね」

其の内に忙しい農家の人達は立ち去ってしまったので、玄庵は女の傍に寄って行って、
「姐さん、こりゃ一体どうしたことだな。わしは旅の者だが場合によれば助けて進ぜたいが」
と云うと、女は恥ずかしそうに、
「どうぞもう捨てて置いて下さい。あなたにご迷惑が掛かってもいけませんから」
と云うのを、玄庵が無理に語らせた処に寄ると、女は水島の多平と云う者の女房で
お仙と云うのだが、多平は非常に嫉妬深い性質で殊にお仙が美人で自分が醜いために
一層ひがんで一寸他の男と話をしても、打ったり蹴ったりして責めると云うのであった。


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時代小説・旅道連越路春。其の八

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春19
◇玄庵お仙を泣かせるの事
玄庵がお仙を抱いて指先を陰門に入れて陰核を撫でると、お仙は、
「うッ、ううッふーん、あれーもうそんな、いけないわ、そんなこと、
 あーッもうそんなことするのいや、うーッフン、う・・・あーっもう・・・いいの、いいのよ・・・」
と眉をよせて身体を悶えさせていたが、段々快くなってくると、股を拡げて玄庵の指に
陰門を押し付けてきた。お仙の陰門は快く成ってくると淫水で海のようになり、
穴の中は大きく膨張して弾力が加わってくるので、玄庵は指を三本に重ねて、
ぐっと奥まで差し入れ、子宮の前の丸い卵のようなものへ指を届かせて、
クリクリヌルヌルと掻き回しながら、親指の腹で陰核のほとりを撫で廻した。

「あぁーッもう先生、堪らん様に成ってきた、早く入れて」
と云いながら、玄庵の男根を握ると、その偉大さに狂喜して、カッと興奮し、
寝間着の上に締めていた細紐を解いて裸に成ったので、玄庵も起き直って裸に成ると、
太い見事な男根は意気天を突く勢いでピクピクと脈打っていた。

それを見たお仙はカッ逆上して、いきなり玄庵の股座に顔を突っ込んで、
馬のような真っ黒な太い男根に、武者振りついていった。
お仙の紅い唇がほうばる様に太い雁先を咥え込んで、舌先でそれを捏ね返した。
そうされると、玄庵も堪えられなかった。思わず興奮して夢中になった。

玄庵はお仙を横倒しにして、逆さまに女の太腿に腕を巻き、ぐっと股を大きく開いて
淫水の流れる陰門に舌を入れた。もう二人は二匹の獣と同じだった。
陰門の奥まで舌を押し入れて膣壁から陰核のあたりまで玄庵が大きい舌でザラザラと
嘗め回すと、お仙は玄庵の男根を咥えて上下に扱くので、
その痛烈な快感のために二人はのた打ち廻った。

「あーッ先生、もういきそうですわ。早く入れてやらせて」
と云ったかと思うと、ぐっと身体を起こして玄庵の右の足を両腕で抱え上げ、
その股の間に乗り跨って男根の上に陰門を被せ、ぐっと身体の重みで腰を下ろすと、
陰門の中はヌルヌルだったから、苦も無く根元まで滑り込んだので、お仙は太い男根の
感触に忽ち正体をなくして、腰を上下にズボズボグチグチと狂気のように抜き差しした。
こうして抜き差しすると男根の胴で陰核は擦れなかったが、太い雁先が子宮に
届くので、その快さは身も骨も溶けて流れるようだった。

「あーッ、もう堪らんわ、あーッ・・・あれーイクイクイク・・・」
途端にお仙の陰門は肛門の辺り迄ギクギクと痙攣したかと思うと熱い湯のような淫水が、
男根の竿を伝わって滝のように毛際へ溢れ流れてきた。


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時代小説・旅道連越路春。其の九

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春21
◇玄庵魚屋の娘に欲情の事
其の日は津幡から加賀能登の国境にある峠を越えて川尻の十文字屋に泊り、
翌日大海、二屋と能登海岸線に出て、川尻を渡って今浜に着いた時は
未だずつと陽が高かったが、これから七尾までは良い宿も無いと云うので、
七尾屋と云う宿に泊ることになった。

まだ風呂も沸いてなかった。玄庵は所在なさそうにその辺りをぶらつくつもりで
店に出て見ると。丁度其処へ女の魚売りが来ていた。
玄庵がその女を見ると、色は浅黒いが、まだ二十歳をそう越していないらしいが、
大きな眼の涼しい、可愛い顔をして居た。

しかし玄庵が年甲斐も無く胸をときめかしたのは、その女の肉体の逞しさだった。
桁丈の短い着物を着ているが、胸の膨らみや丸い臀の辺りに、旺盛な性欲を
蓄積したような素晴らしい弾力が満ちている。玄庵は目の眩む程欲情を感じた。

あの身体つきならさぞ良い陰門をしているだろうと思い、その時の女の姿態を色々に
想像すると堪らなかった。玄庵はもう外へ出る事も忘れてボーッとなっていた。

魚の取引が出来たのか、七尾屋の主人は多分夕食の膳に上るのであろう
何尾かの魚を勝手へ運んで行った。
「何をしているんだね」先ほど部屋へ案内してくれた女中だった。
急に玄庵は思いついて、女中を奥の廊下へ呼んだ。

「女中さん、今表に居る魚売りの女は近所の娘さんか、それとも女将さんかね」
「山取浜からくる娘だわな。どうして、すんなこと聞きなさるな」
「実は恥ずかしい事だが、わしゃあの娘に惚れたのだよ。
 幾らでも礼はするが、あの娘に何とか話が出来ないかね」
「あれまァお客さんも随分物好きだなァ、あんな娘っ子、浜へ行きゃ幾らでも居るぞな。
 そんなに飢えてりや、わしでも抱かせてあげるによ」
と淫らな眼になる。

「おめえでも良いのだが、おめえにや伊助と云う男が惚れているんだ。
 今晩あの男の部屋へそっと行ってやつてくれ。
 だから俺の方だが、何とか取り持ってくれないか」
「そりゃ話してもエエが、請合えねえよ」
「そりゃそうだが、何とか骨を折って見てくれ、頼むよ」
玄庵は女中にそう頼み込んで部屋へ帰ると、伊助が退屈らしく横に成っていた。

「伊助、お前色男だなァ」
「からかっちゃいけませんぜ」
「そうじゃねえ、俺アあの女中から聞いたんだよ。
 今晩部屋へ来るから、精々可愛がってやりねぇ、
 それから都合によると俺のところへも女が来るかも知れネェのだが、
 もし来たらお前、気を利かせて、あちらの部屋で飯でも食うようにしてくれ、いいかね」
「なアんだ、そんなことだろうと思った。しかしそんな事はちゃんと心得ていますよ、先生。
 大船に乗った積りでご安心しなせえ。ところで先生、あつしの方は嘘でげしょう」
「嘘なもんか、そのつもりでしっかり風呂で磨いときねえ」

云ってるところへ先の女中が、
「あのお風呂が沸きましたから」
と云って、ちらっと伊助の方へ色目を使って下りていった。

「どうだ、抱いて見たくなったか」
「どうですかねえ」
「素直になれ、胸の中じゃ遣りたくてワクワクだろうハッハハハ」
笑っては居るものの女中が色よい返事を持って持ってこなかったので、
玄庵はガッカリしていた。やがて階下の風呂に入っていると、不意に女中が扉を開けて、
「お客さん、首尾はいいだから、よく洗っときなさいよ。帰りに寄ると云っとりますだから」
玄庵は思わず風呂の中でたちあがった。
「あれまぁ~、お客さん、随分でかいんだね。おら、お前さんの方が好きだよ」
「じょ、冗談云っちゃ困るよ。それよりお膳を一つ余計にして置いてくれ」


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時代小説・旅道連越路春。其の十

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春24(能登・七尾の農家)
◇玄庵小町娘を按摩する事
その日に七尾に着いた玄庵は能登屋と云う宿に泊った。夕食が済むと時刻は早かった
けれど玄庵は寝床に這入ったが、昨晩余りにお文と交合に力を入れ過ぎたせいか、
肩が張って仕方が無かったので女中を呼んで按摩を呼ばせた。

六十に近い按摩だったが、よく話す男だった。
「旦那はどちらから」
「わしかえ、わしは名古屋の医者だよ」
「あゝ、お医者さんでございますか」
と男は暫らく口をつぐんだが、やがて、
「先生、早速ですが、実は私のお得意様にぶらぶら病で困っているお嬢さんが
 居るのですが、先生一つ見舞って上げていただけますまいか、
 土地の医者にも掛かって居るのですが一向効き目が見えませんので、
 良いお医者を捜して居られるのでございますが」
「幾つ位の娘さんだね」
「お嬢さんと云っても、もう二十五か六で春江さんと申されますが、
 打明けてお話すると、この春江さんが三年前に新山越の峠で、
 悪者の為に強姦をされたのでござります」

玄庵の好奇心はぐっと頭をもたげて来た。
玄庵は男から話を引き出すように相槌を打った。
「気の毒に脇村の或る分限者の家へ嫁入する途中だったと云いますが、
 大勢の人がついていながら、そいつ等の為に駕篭を奪われてしまったので御座ります。
 それから何でも深い山中へ連れて行かれ手足を縛られた上、
 四人の男に代わる代わる強姦されたそうですが、
 それが為に折角の嫁入も取り止めになってしまいました。
 それから三年になりますが、未だにその時の事が世間の人の口の端に上って、
 妙な話ですが悪者に二度づつされて居る内に、三度まで気を遣らされたの、
 初めは嫌がっていた春江さんが、終いには自分から腰を使った等と、
 それはそれはあられもない事まで伝わるものでござりますから、七尾小町とまで
 云われた春江さんですが、未だに何処からも縁談がござりませんので、
 それが為かどうか分りませんが、近頃ではぶらぶら病で寝たり起きたりして
 居られるのでございます」

按摩の話で、玄庵は翌日泉屋久兵衛と云う家へ娘の病気を見舞う事に成った。
按摩善一の紹介で先方へ行くと、久兵衛夫婦は非常な喜びようで、
茶よ菓子よと丁重にもてなした上で、ずっと裏手に新しく建てられたらしい
離れの方へ案内した。


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時代小説・旅道連越路春。其の十一

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春26
◇玄庵の逸物で娘の病気退散の事
もう良いだろうと思った玄庵は、手先を滑らせた様に何気なく、
春江の陰門に指先を入れると、もう臀までヌルヌルに淫水を流している。
しかし、春江はそれでも眼を閉じたまま、じっとしているので、もう大丈夫と思った玄庵は、
ぐっと中へ指を入れて親指の腹を淫核の上に宛がうとコチコチに硬くしている。
玄庵が指先をやんわりと廻して巧妙にくじり始めると春江はその刺激に堪りかねて
眉を寄せたが、眼はつぶった儘でいた。だが何時までもそうじっと耐えては居られなくなった。
段々良くなって成って来ると腰を揺すりながら陰門を押付けてきた。
そしてちょつと身体を起こして、
「先生・・・」と千万無量の情のこもった眼で玄庵の眼を見た。

早く入れて呉れと云う無言の催促だった。玄庵はカッとなった。表の様子を窺っていきなり
帯を解き前を広げてから、春江の左右の太腿を拡げて割り込むと、手本に組んで太い
雁先を見当をつけて宛がい、ぐっと抱き締め腰を押すと、さすがに四人の男根で
押し広げられていた陰門だけに、ヌルリと亀頭が滑り込んだので、玄庵は痛がらせぬ様に
口元でヤワヤワと擦っていると、春江は待ちかねて下からグイグイと持ち上げて来るので、
太い男根が難なく根元の毛際まで、ぐっと一杯に押し入ってしまった。

「あ~ッ、うーッ、フゥーン・・・」
太い男根が子宮を突いた刹那の痺れるような快感に春江は思わず呻き声を上げた。
もうそうなると恥ずかしさも何も忘れ玄庵に抱き付いてきた。
春江の陰門は上つきだったので本手に組んで入れると強大な玄庵の逸物の雁先が
ぐっと子宮に届いたし、ナマコのような弾力のある柔らかい陰門内の肉襞がはみ出る程
豊富だったので、ズブズブ抜き差しする度に太い男根に吸い着いてくる。
その快さは五臓六腑に染み渡るほどだった。それに春江は顔が美しいだけに、
腰を使いながら段々良くなって行くらしいその顔を見ているだけでも気がイキきそうだった。

しかし玄庵はそうして抜き差しする内にも、
誰か人が来ては大変だと思う心配が有ったので、
中々気がイかぬ。其の内に春江は気を遣ったらしいので、
玄庵は一層苛立って夢中に激しく抜き差しした。

「先生、此処へは滅多に誰も来やいたしませんから」
と少し身体を横にして両肢で玄庵の腰を巻いて、子宮に雁先が当たるように
加減しながら腰を使うと、春江の陰門は猫が水を飲むような妖しい鳴り音を立てた。


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時代小説・旅道連越路春。其の十二

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春29(富山湾から立山連峰を望む)
◇玄庵内儀の間男を見つけるの事
来て見ると思ったより立派な表構えの家だった。内儀に会うと三十二、三の男好きする
顔立ちだが、、本人も随分男好きらしい脂肪の乗り切った良い年増だった。

それから病室に通って主人の新兵衛を診察すると、
喘息の気のあるところへ腎臓も悪かった。離れの病室を辞して表へ来ると、
「先生どうでございましょう、酷う悪いようでございましょうか」
内儀は眉をひそめたが、それ程心配らしくもなかった。
「急に直ると云う訳にも行きませんが、
 養生次第ですから、そう御心配にならなくてもいいよ」
「実は病人が是非先生に少し快く成るまで側に居ていただけないだろうかと、
 今朝、庄助さんに先生の事を聞いてからからそれを云い続けて居りますので
 色々ご都合の有る事と存じますが何とかお願い出来ませんでしょうか」

と、そう頼まれて見ると嫌とも云えなかったし、この内儀にも多少興味を感じたので、
とうとう承知してしまった。
伊助は七尾で味を占めていたので喜んで寿司屋旅館に踏み止まる事になった。
それから玄庵は坂田屋の二階で寝起きして、新兵衛の病気を治療する事になった。

ところが或晩、表をぶらついて坂田屋の手前まで戻って来ると、
二三間先を歩いていた男が坂田屋の家へすっと這入って行った。
玄庵は暫くしてから戻ると、女中が出て来て直ぐに表の掛金を下ろした。
玄庵は二階の寝床へ這入ったが、どうも今の事が腑に落ちなかった。

坂田屋の家に来てからもう三日になるが、ついぞ家族の内であんな男を
見掛けなかった。ひょつとすると、と玄庵は好奇心が湧き上がって来た。
玄庵はもうじっとしていられなかった。じっと家内の様子を窺ってから、
そっと階段を這う様にして下りて行った。内儀のお須磨の寝ている部屋は
一番奥の部屋だった。

玄庵は気付かれないように足音を忍ばせて、そっと奥の襖の際に歩み寄った。
襖の隙間から覗くと部屋には行灯が点いていたが、
其処からは内部が良く見えなかったので、右側の襖を少しづつ開けて
漸く僅かの隙間をこしらえて、其処へ眼をあてると玄庵はハッとした。

それも其の筈で、其処には男女二つの身が裸で縺れ合っていた。
無論女は内儀のお須磨であった。玄庵の男根は一瞬にして勃起した。


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時代小説・旅道連越路春。其の十三

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春31
◇内儀玄庵に持ちかける
その日の夕方、玄庵が風呂から上がって来ると、お須磨は玄庵に笑顔を向けて、
「先生、今日はエエお魚がありましたので、
 少しお夕飯が遅れますけど悠っく召し上がって下さい」
そう云う内儀の顔を見ると、昨夜のあられもない姿態が思い出されて、
何だか今までに無かった胸の疼くような欲情を感じた。
四ッ前(夜の十時ごろ)になって、
もう女中のお梅も部屋へ下がって寝床へ這入ってしまってから、
お須磨が玄庵を呼びに来た。玄庵が下りて奥の間に通ると、
卓袱台の上に色々な料理が並んでいた。
それはいいが、妙な事には其の傍に寝床が延べられてあったことである。

「済みません、寝床なんか敷いておいて、女中が知らずに敷いたものですから、
 あげるのも面倒なので、ごめんなさ、さ、先生どうぞ」
内儀は調子を取り上げた。
「これは恐縮です」
「先生、そんなお固いことを仰らずに、あたしもいただきますから」
お須磨は玄庵に酌をして、自分の杯にも注いでグッと一息に呑み干した。

酔いが廻るとお須磨は胸をあけて膝を崩し、
ワザとらしく媚態を示し、色っぽい眼をしながら、
「先生、あたし此の頃のぼせて時々目眩がするのですよ、どうしてでしょう」
「さア、やっぱり御主人が病気のせいでしょうな」
「どうしてでしょうか」
「女でも男でも、余り辛抱しているとそうなりますね、ハッハッハ」
「いやですワ、そんなこと仰って、
 ねぇ先生、あたし一遍先生に診ていただこうかしら」
「診ますよ」
玄庵の男根はもうムクムクと脈打っていた。
「じゃァ、お願いしますわ」

お須磨は、燃えるような眼で玄庵を見て、ささやくようにそう云うと、
寝床の方へにじり寄って横になった。好色な内儀の様子を見ると、
暫く女に飢えていた玄庵の男根は愈々勃起してきたし、酔ってもいたので、
いきなり内儀の側に行って、柔らかいその手首を掴んだ。
それから玄庵は内儀の暖かい懐に手を差し入れた。
弾力の有る胸の隆起から下腹の方へ手を滑らせた。

普通の医者がするような事をしながら、玄庵は内儀の欲情を掻き立てるように
女の急所を責め立てるのであった。お須磨は段々興奮してきた。

実は、お須磨は今朝になって、昨夜玄庵が奥の寝室を覗いていた事を
お梅から聞いて青く成ったのだった。
もしそんな事が新兵衛の耳に入ると大変である。
それでお須磨は玄庵に身体を許してその口を封じようとしたのだったが、
巧妙な玄庵の愛撫にあうと、身体の底の方から、
烈しい欲情の燃え上がって来るのをどうすることも出来なかった。

32
「先生にそこをそうしていただくと、なんですか、エエ塩梅ですね」
玄庵は下腹を撫でていた。
「先生もっと下の方を・・・」

お須磨はもう恥ずかしいのも忘れていた。
玄庵はさらばと片手の掌で陰門の上を撫でるとヌルリと滑った。
玄庵が陰門の上の掌を滑らせながら中指で淫核をくじるように撫で回すと、
お須磨は早、半狂乱に成って帯を解き細紐をとって前を広げるのを、
玄庵は其れならばいっそ裸に成ってと、内儀を丸裸にして自身も裸に成ると、
お須磨の右肢を両手で抱え上げて、大きく内股を拡げて勃起した男根を押し当てて、
ぐっと一気に根元まで押し入れてしまった。

淫欲の強いお須磨はこの瞬間までは、どうせ長袖の医者の事だから、
大方男根も柔らかな鈍ら魔羅か、細くて長い長魔羅だろうと高を括っていた。

ところがグッと一気に押し入れられた時の、息も止まるようなその男根の素晴らしさ、
まるでズイキを巻いた様に筋脈の盛り上がった太い男根の胴で膣内の肉を
扱かれる様に一杯に滑り込んで、御所柿の様な巨大な雁先で、
グッと子宮を突かれた時の、骨まで溶けるような快さに、お須磨はカッと驚喜した。

昨夜一生懸命になって汗を流し合った良吉などの品物とは比較にもならなかった。

「あーッエエわ、先生のは太いので一層よく応えて、身体中が痺れるようですわ、
 あーッもう堪らん程エエわ、どうしょう、こんなによくっては、あれ~どうしょう・・・」
と、玄庵が抜き差しを始めると前後不覚に取り乱して、
ヨガリ泣きに大声を上げるのであった。お須磨の陰門は肉付きがよく、
陰唇が盛り上がって膣内が内へ凹んでいるような、肉(しし)置きのいい陰門だった。

亭主の新兵衛や良吉の男根では、いくら骨を折っても雁先が子宮へ届かぬので、
それだけ快感も少ないのだが、自分では交合する時の快感と云うものは、こんな
もんだと思い、それで満足して居たので有るが、今、玄庵に大きく股を拡げられて、
太い男根をぐっと子宮に届くように押付けられた快さは、かって覚えのない痛烈さだった。

そしてお須磨はさせ上手だった。臀を廻してグイグイ陰門を押付けてくる。
その淫情の激しさに、玄庵も段々良くなって来た。

流石の玄庵も夢中で淫水の飛沫を上げながら、九浅三深竜虎の法、
ぐつと雁先を押付けて子宮の周りに、"の”の字を書いたり"へ”の字を書いたり、
ズボリと抜け出してはサネの上を男根の背中で擦りあげた。
「あれ~・・・、もうイク、イク、イク」

お須磨は正体もなく、どっとばかりに気をやってしまうと、
一度抜かせて、陰門を拭いてから、再び男の身体に馬乗りになった。


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時代小説・旅道連越路春。其の十四

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春33(越後糸魚川・親不知)
◇玄庵ゴマの蝿に金を取られる事
玄庵は乞われる侭に坂田屋で半月程滞在した。その間に内儀は毎晩
玄庵を引き付けて、一晩に三度も四度も気を遣ると云う荒淫振りだった。
その間に良吉は三度ばかり遣って来たが、内儀は旦那が回復して
同衾しているから首尾が悪いとお梅に云わせて、追い返した。
事実、新兵衛の病気は日一日と快方に向かっていた。
もう半月目には廊下へ出て来る程になった。玄庵は坂田屋を退去した。

久し振りに街道を行くと、寒い北国だが、すっかり新緑も濃くなって、
辺りの景色が眼に染みる様だった。
「先生、随分長逗留でしたね」
「久し振りでホッとしたよ」
「御尤も様で、ヘヘヘ・・・」
「何がへへへだ。おめえこそ巧くやったろう」
「冗談でしょう、女中が云ってましたよ、あそこには美しい内儀さんが、
 主人の病気でかつれて居るから、猫にカツオ節だって」
「冗談も休み休みにしろ、先方は良家の内儀だよ」
「それが先生の趣味だから世話がねえや」
「図星だ、ウァハッハハハハ」

喋りながら小杉、東岩瀬と過ぎて、神通川を越えると、"反魂丹”で有名な富山だった。
二人は山城屋と云うのへ泊まって、翌日は日本三名山の一つ立山を遠望しながら、
其の日は魚津泊り、それから、泊で一泊し、翌日は越中越後の国境の関所を超え、
親不知で驚嘆の声を上げながら遠海の手前まで来ると、後ろから来た商人風の男が、
「旦那方は随分早足ですねえ、私も道中はかなりな早足の積もりですが、
 あなた方にはかないません。で、どちらまでお出でで御座いますか」

道中で話し掛けて来る者にろくな者はない事は、旅慣れた玄庵には良く分かっていたが、
見ると男は顔の白い優男で、そんな悪者とも思えなかったので、
「新潟まで行こうと思っているが」
「そうですか、それは大変ですね、私は名立まで行きますが、
 こんな事を申し上げるとまるでゴマの蝿のようですが、
 名立までご一緒にお供願えないでしょうか、
 何だか一人旅は心細くてしょうがありませんので」

男は懐から手拭を出して額の汗を拭いた。迷惑だとは思ったが、
頼まれて見れば仕方ないので、兎に角、糸魚川まで同道する事に成った。


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時代小説・旅道連越路春。其の十五

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春35
◇後家の病根を除き旅費を得るの事
三国屋は土地では一番の呉服屋だっただけに、今は休業中だが立派な構えの家だった。
こんな家で女中と二人暮しは、淋しいだけでも気欝症になるのは当然だった。

玄庵は女中に案内されて奥へ通ると熊野屋から通じて有ったので、
内儀は薄化粧に身じまいをして待っていた。
其れは医者を迎えるのではなく、まるで恋人でも迎えるようだった。

幾らか淋しそうだが、すらりとした色の白い端麗な容姿をしていた。
見た限りでは別に病人らしくもなかった。
矢張り夫に死に別れて閨房恋しさが積もっての気欝だとは一目でわかった。

お恵は玄庵に手を握られたり、胸に手を入れられたリするだけでも興奮するようだった。
「先生、どこが悪いのでしょうか、別にどこも痛みはしませんが、
 食もすすみませんし、折々のぼせて・・・」
「よくあることですよ。若くして御主人が亡くなられると、
 大抵そんなことになるものですよ。薬なんか幾ら飲んでも治らぬものですよ」
「どうすれば宜しいのでしょうか」
「端的に云うと、男女の交わりを行って溜まっている精気を抜く事です」
と、玄庵がそう云うと、内儀は見る見る真っ赤に成って俯いた。

「何も恥ずかしい事ではありませんよ、生理上、そうなるのです。
 御自身の事ですから一番よくお分かりの筈ですよ、お気づきに成りませんか」
「そんな事も時々ありますけれど、しょうがないと諦めているのです」
「それが原因なのですよ」
「でも、しかたがありませんわ」
「お内儀さんさえ良ければ、何としてでも気の晴れるようにしてあげるがねぇ」

玄庵は急に小声に成って、内儀の官能に訴える様にそう云うと、
お恵はハッと逆上して一瞬怒ったような顔になったかと思うと、
「先生、お願いしますわ」
と、両手で顔を覆うと玄庵の膝に伏せた。玄庵の膝は内儀の涙で濡れた。


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時代小説・旅道連越路春。其の十六

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春38(上越・高田城三重櫓)
◇玄庵ゴマの蝿に奇遇の事
宵に一度、夜中に一度、明け方に又抱き合うと云った具合で、
長らく交合の機会から遠ざかっていたお恵は飽くことを知らなかった。
お恵は一年間の憂鬱を一時に吹き飛ばして、
明るく元気になり血色も見違える程良くなった。

その報告が熊野屋に達すると、それが評判に成って、
玄庵はあっちこっちで引っ張り凧になったが、十日歩度の間に出来るだけ
病家を見舞ってやって、愈々出発と云う事になると、お恵からは云うまでもなく、
方々から謝礼が来たので、宿の払いを済ませても十二分の旅費が出来たので、
名残を惜しむお恵に別れて糸魚川を出発し、その日は名立に泊まって、
翌日、有間川を渡り高田に入り、太田屋良助と云う宿に着いた。

処が玄庵が風呂から上がって来て部屋の障子を開けた途端に、隣の部屋の
障子が開いたので、どんな客人だろうと思って一旦這入ってからそっと顔を出すと、
手拭いをさげて今廊下を曲って行く男の顔は、なんと十日前に糸魚川の熊野屋方で、
すっかり旅費を巻き上げられた、加島屋博次と名乗ったあのゴマの蝿に違いなかった。

「伊助、この間のゴマの蝿が隣の部屋に泊まっているぜ」
「えっ、ほんとうですかい、やろう!とっちめてやりましょう」
「逸るんじゃねぇ、やいやい騒ぐより今晩あいつを眠らせて、
 持っていやがるだけ取り返す事にしょう」
「そいつは面白い、あっしゃちょいと連れの男を覗いて来ますよ」

伊助は部屋の外へ出て暫くすると戻って来た。
「先生、驚いちゃいけませんぜ、あいつの連れはねぇ・・・」
「何だ、思わせ振りな変な笑い方をしやがって」
「それがね、頗る良い別嬪なんですよ」
「何だと、女だって」
「それ見なせい、眼の色が変わった」
「俺の目の色は何時だってこれだよ、しかしそいつはうっかりすると、
 財布どころか一番大切なものまでもやられるぞ、
 まてまて俺にちょつと考えがあるからよ」


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時代小説・旅道連越路春。其の十七

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春40(越後と言えば、上杉謙信公)
◇金を取り戻して女を得るの事
すっかり日が暮れた。何も知らぬ加島屋は、湯上りの胸を拡げて心地よげに、
夕食の膳に向かった。それも其の筈で、今夜は女をものにした上で金を巻き上げる
算段だったのであるから、いい気に成ってほくそ笑んでいたのも無理はない。

もう其の時は玄庵から宿の亭主に話し、亭主は女中を呼んで手筈を言い聞かせると、
玄庵から紙に包まれた粉薬を渡された。加島屋がかなり酔いの廻ったところで、
女中が眠り薬を仕込んだ銚子を持って上がって来た。
「もういけないよ」
「まァいいじゃありませんか、酔い過ぎたらあたしが介抱しますわ。
 これだけ飲んで酔っておくれよ」

そう云って媚態を見せると、加島屋は目尻を下げて、その気なら、うんと酔って十二分に
女を泣かせてやろうと、早やピクピクと男根を勃起させながら、
杯を受けてグイグイと眼むり薬の入ったその銚子を見る見る内に空にしてしまった。

「あー、酔った、なんだか眠くなってきやがった。寝床を敷かせてくれないか」
女中が上がって来て布団を敷くまでもなく、加島屋はもうぐったりと眠ってしまった。
「先生、寝てしまいましたわ」
芳乃は玄庵の部屋に来た。玄庵と伊助が死んだ様に成っている男を寝床へ入れてから、
荷物を調べると取られた胴巻きがそのまま出て来た。
中を調べると、中身の小判はそのままで、別に財布に入れていた小粒が半分程に
成って居るだけだった。包みを元のようにした。

「ハッハハハハいい気味だなァ伊助」
「あっしゃもうグッと溜飲が下がりましたよ。今夜は気持よく眠れまさァ」

伊助が自分の部屋へ行って暫くすると、
「先生、今夜はここで寝かせて頂いてもいいでしょう」
女がそっと這入って来た。
「いけないね、男女七歳にして何とやらと云うからね」
「フフフフフあたしゃもう二十六ですからいいでしょう」
「ちがいねえハッハハハ」

芳乃はさっき風呂の中で腰に触った玄庵の男根の異常さに、
烈しい欲情を燃やしていたので、寝床の中へ這入ると、
もう息苦しい程淫情を燃やして、玄庵に抱きついてきた。

玄庵は抱き付いて来た芳乃を丸裸にして自身も寝巻きを脱いで裸になり、
左手を背に廻して女の乳を掴み、舌を吸って右手の指を陰門を入れて、
ヌルヌルとくじり廻した。芳乃はもう三ヶ月余りも閨房から遠ざかっていたので、
玄庵から三ヶ所の急所を責められると、もう狂気のように興奮した。


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時代小説・旅道連越路春。其の十八

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春43(柏崎の刈羽黒姫山)
◇妻に裏切られた男の話
「あんまりいい気持じゃないのう、伊助」
「それでも先生、取られたものがけえったのですから、あっしゃすーッとしましたよ」
「そう云えばそんなもんだなぁ、ハッハハハ・・・」
やがてその日は姉崎で泊まり、その翌日は柏崎の篠田屋傳兵衛方に泊まった。

夕食は何時もの通りでお粂と云う女中に酌をさして玄庵も伊助も十分に酩酊して
別々の部屋で枕についた。
ところが暫くすると、隣の部屋でヒソヒソと話し合っている男女の声が聞こえてきた。
.それが気に成って玄庵は眠れなかったし、例の好色な好奇心もきざしたので、
そっと足音を盗んで廊下に出ると、障子の隙間から覗いて見た。

すると部屋の中では、玄庵の想像を裏切って、
男女が差し向かいで行儀よく話し合っている。玄庵は案に相違して失望したが、
よく見ると女は宵に給仕させた女中のお粂だった。それに二人共泣いているので、
"こいつはお安くない、どうせ泣いた挙句は抱き合って見ていられぬような場面を
展開するのは知れている”玄庵は胸をときめかせて覗いていると、
やがてお粂は立ち上がったので、驚いた玄庵はあわてて部屋に逃げ込んだが、
そのまま出て行った女は、再び部屋に戻らなかった。

あくる朝、お粂が朝の膳を運んできたので、
「お粂さん、昨夜はお楽しみだね、お陰ですっかり眠れなかったよ」
と云うと、女はちょつと顔を赤らめて、
「済みません、でもあれはあたしのいい人とは違いますわ、弟ですのよ」
「何だ、弟さんか、しかし泣いたりなんかしてお安くなかったぜ」
「実はねぇ旦那、弟は家出して来て、行き先がないので泊めてやったのですわ」
「そりやまたどうしたと云うのだな」
「それがねぇ旦那・・・」

それから彼女の話したところによると、彼女の弟は要次郎と云うのだが、
二人はこの柏崎で相当な家に生まれたのだが、家が没落してから、
要次郎は伯父の沢田屋伊兵衛に引き取られ、彼女は転々として
今はこの宿の女中に成っているのだった。それから要次郎は年頃になって、
伯父には子供がなかったので、五日町の方から澄江と云う妻を貰った。
ところが半年ほどして伊兵衛の女房が死ぬと、それから暫くして、
澄江の要次郎に対する態度がすっかり変わってしまった。


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時代小説・旅道連越路春。其の十九

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春46
◇玄庵の計略図に当たる事
其の晩方、一人で沢田屋の近くにあった、山佐旅館と云うのに泊まった。
案内した女中に玄庵は心付けをやってから、
「姐さん、四、五日厄介になりたいのだが、退屈だから将棋でもさしたいのだが、
 近所に将棋の好きな方がないかえ」
玄庵がそう云ったのは要次郎から伊兵衛が将棋となると夢中だと聞いたからである。

「そうですね、この先の沢田屋の主人がすきですわ、
 うちの主人も好きで時々さしに見えますが、お内儀さんがやかましく云うものですから」
「如何だろう、その沢田屋さんとかにわしを引き合してくれないか、
 わしは名古屋の医者だから、そう云って滞在中のお相手を
 させて貰えないかって尋ねてくれないか」

浴場から上がってくると、さきの女中が夕食の膳を運んで来て云った。
「あの沢田屋さんにそう申しましたら、どうぞお越しになって下さいって、喜んでいました」

夕食が済むと玄庵は結城紬の単に同じ無地の単羽織という渋い好みの服装で、
手土産をさげて沢田屋を訪ねて行った。玄庵の風采と人柄を見ると伊兵衛は
丁重に奥へ招じた。

座敷の様子をみると、かなり裕福らしく見受けられる。
暫くすると襖を開けて這入って来たのは澄江だった。
「初めまして、粗茶でございますが」
玄庵はチラリと澄江の顔に眼をやったが、思ったり美人だと思った。
しかし争えないもので、切れ長の白目勝ちなその眼には、とろりとした色気が漂っていた。

やがて二人は伊兵衛の持ち出して来た将棋盤に向かった。
玄庵は御殿に勤めている時から将棋の名手だったから、
本気で指せば到底伊兵衛などの及ぶところではなかったが、
そこは要領よくあしらったので、伊兵衛は有頂天になった。
知らぬ間にか夜が更けた。

「思わず遅くまでお邪魔してしまいました。今何ん時ですかな」
「澄江、もう何ん時だな」
まだ起きていたと見えて澄江が這入って来た。
「もう八ッ(夜中の三時頃)ですわ、お父さん、もう宿も閉まっていますよって、
 先生に泊まっていただいては」
「そうだね、先生お構いなかったら床をとらせますから」
玄庵は其の晩沢田屋で泊まったが、眼が覚めると伊兵衛はもう盤を持ち出すと云う
熱心振りであった。何時の間にか玄庵は沢田屋に入り浸りになってしまった。


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時代小説・旅道連越路春。其の二十

*表題は『旅は道連れ越路の春』と読む。
旅道連越路春49
◇淫乱な女元の鞘に収まるの事
四六時中将棋に夢中に成っている玄庵と伊兵衛の間に入っていけない澄江はイライラ
しながら時を狙っていた。僅かに隙のあったのは、伊兵衛が風呂に入っている間だった。
澄江はその僅かな隙に玄庵に抱き付いて、慌ただしく目的を達したけれども、
この前の身も魂も痺れる様な烈しい交合を思い出すと物足らなかっ。
そこへ玄庵の手が伸びた。

とうとう彼女は玄庵と示し合わせて家出をした。
伊兵衛は気が狂った様に澄江を探し回ったが、灯台下暗しのたとえで、
同じ柏崎の篠田屋に泊っているのには気が付かなかった。
それと云うのも、お粂の口から亭主や内儀の耳にも入れ、
皆の同情が要次郎の上に集まって、秘密が保たれたからであった。

玄庵は内密で篠田屋の納屋の中二階で身を潜めていた要次郎に逢って、
これからの手筈を決めた上で、経験の薄い要次郎に女を喜ばせる方法を
教えた上、いろいろな責道具を渡して、その使用法を教えてやった。

玄庵は澄江と一緒に篠田屋に来た晩から伊助を同室させたので、
澄江が如何に欲望を燃やしてもそう自由に交合を行う訳には行かぬ。
隙があれば昼間でも抱きつくつもりで澄江は虎視眈々としているのだが、
いつでも伊助が玄庵の側を離れないのでどうする事も出来なかった。

たまたま伊助が風呂に行った隙にかぶせて行って、自分から腰をつかい、大方気が
イクと云うところまでこぎつけるのだが、今一息と云うところで伊助が上がって来る。
じれったいったらなかった。澄江は毎日じれ込んで神経が疲れて半病人の様に成った。

宿の女中に別の部屋がないかと尋ねると、玄庵から云い付けられていたので、
空いた部屋がないと云うのであった。澄江の満たされぬ性欲はいよいよ昂進して、
色狂いにもなりかねない。


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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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