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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 処女を奪った女と35年振りの再会。其の三
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処女を奪った女と35年振りの再会。其の三

◇夫婦って ◇
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「ああ、これが・・・あたしを女にした憎たらしいヤッね」
といいながら、口の中にカポッと呑み込みました。
「うっ・・・」
「憎らしいッ。ナニよッ、あたしを女にしといて知らん顔してっ」
彼女は男根を握り締め、扱きたて、頬ずりしながら毒づき、その上で、
「挿れてっ!」とベッドに戻りました。

もちろん、私は奈保子の両足首を握って股間をガバッと広げ、
ポッカリ開いたサーモンピンクの膣穴にヌウーッと押し入っていきました。
奈保子の素晴らしい肉体に見惚れ、呆然とし、男根をしゃぶられて、
うっとりとしていても、初体験の時とは異なり、彼女の股間や体、
表情などを眺めながら、その肉穴に押し込んでいくだけの余裕はありました。

「ああ、入った・・・入ってるッ!」
嬉しそうに奈保子は身を震わせて叫び、覆い被さった私に下からしがみついて、
足を絡め、ぐうっと腰を引き付けるようにして、突き上げてきます。

「好きだった。オレも、好きだったんだ・・・今でも・・・」
私は無意識に、まるでうわ言のように彼女の耳に囁きました。
口に出すと、本当にそうだったような気がしてきます。そして過去だけでなく、
今も好きだ。愛しているというような気持ちが湧いてきたのは不思議なものです。
再会するまでは全然忘れていて、会った時も誰だろうと、
分からなかったくせにゲンキンなものです。

「あたしもッ!あたしもよッ!」
彼女も叫びます。ぎゅうっと男根が締め付けられ、吸い込まれていくようです。
今まで出会ったことのない快感と快感と感動に私は包まれ、男根ばかりか、
腰の方まで彼女に吸い込まれていくような気がしました。

吸い付いてくるのは、肉襞ばかりではありません。
彼女の体全体に全身が吸い込まれ、包み込まれていきます。
私は口唇に吸い付き、舌を入れ、絡ませ、舐めしゃぶり、
ツバを飲み込みながらせっせと尻を上下に動かし、夢中で男根を出し入れしました。
グッショリ濡れた肉穴から、溢れた淫汁が白い泡となって滴り、
シーツを濡らしていましたが、そんなことはまったく気になりませんでした。

うまく言えませんが、めくるめく快感と言うのでしょうか。
魂を抜かれるというのでしょうか。とにかく私は無我夢中で快感の渦の中に巻き込まれ、
奈保子を攻め立て、何度もイカせて、思いっきり放出しました。


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初体験のときの幼稚さとは異なり、お互いにセックスを知り尽くした上での交合です。
しかも、30年ぶりの再会であり、初体験同士の再会ですから、懐かしさも混じり、
単なる初対面の男女とは異なる感激に快感は一層盛り上がったとも言えるでしょう。

「ねえ、明日も会ってくれる?」
「もちろん・・・」
いくら盛り上がり快感に痺れてはいても、限度はあります。多少疲れてきました。
それでも彼女の体を離す気には慣れませんでした。
じいっとそのまま、一晩中でも抱き合って居たい思いで一杯でした。

シャワーを浴びて奈保子が戻ってくると、別れるのが辛いと言う表情で私に
訴えかけて来ましたが、明日も会おうと約束してその晩は別れることにしました。
「また、このまま会えなくなったら・・・私淋しいわ」
「そんなことないさ」
彼女も携帯電話を持っていましたから互いの番号を交換しあいました。

焼けボックイに火が点いたとでもいうのでしょうか。素晴らしい女性に巡り合い、
のめり込んだとでもいうのでしょうか。一週間後には岩手に帰りましたが、その間の
数日はほとんど毎日彼女の所に電話をかけ、少しでも時間があれば、抱き合いました。

その上、彼女は私が東京を発つとき、
「迷惑かけちゃったわね。何が良いか分からないけど、
 これでお土産でも買っていってちょうだい」
と、封筒にいれたお金を渡してくれたのです。

「あたし、お金持ちなのよ。離婚届にハンコを押せば慰謝料もタップリ入るし、
 多分、来年あなたが東京に戻る頃までには亭主ともケリが付いてると思うわ」
彼女の心遣いで私は助かりました。彼女と会うために仕事を4日ばかり休んで
懐がさびしくなっていたからです。

新幹線で花巻に着くまでの2時間余りの間、
私は是までの事そして是からの事等を色々と思い巡らしていました。
私が大学を卒業して東京の大手ゼネコンに就職して3年目にオヤジが
脳梗塞で倒れ農業が出来なくなり急遽私が岩手に帰り、農業を継いだのです。
そして2年後に5歳年下の節子と見合い結婚いたしました。

顔やスタイルに自慢できる所はありませんが、真面目な女で働き者でした。
体の不自由な舅や口やかましい姑に文句も言わず従い、子供二人を
育て上げ、私が東京に出稼ぎに行き始めの頃は、淋しさと、嫁姑の問題などで
涙で滲んだ手紙を何度も送ってきたものでした。

面倒な事を全て妻に押し付けて東京で独り暮らす私は気楽なもんでした。
そんな妻を裏切り愛欲に溺れる私はどうしょうもない亭主です。
奈保子の離婚も亭主の浮気が原因だと言いますが、今は立場が逆転して
浮気者の亭主の烙印を私が押される身なのです。

この先どのような事に成ろうとも私は妻の節子を放り出すわけにはいきません。
夫婦はセックスだけで結ばれているわけではないのですから・・・・
と思いつつも・・・
  1. 夫の不貞
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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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