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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 心から愛した女はただ一人。其の三
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心から愛した女はただ一人。其の三

◇暗闇だけの情勢
岩下志麻
ホストの仕事も40年。振り返ってみると、様々な思い出が甦る。
私にとって一番印象に残っているのは加藤さん(仮名)夫婦だった。

加藤さん夫婦に出会ったのは未だ妻と出会う前の30歳になったかならないかの、
ホストとしても、もっとも脂のノッていた時だった。

加藤さんはご主人が50幾つ、奥さんはまだ若く、30半ばだった。
加藤さんは千葉の大地主で、不動産からあがる収入で悠々自適という。
人もうらやむ存在だった。

しかし、加藤さんにも悩みがあった。40代後半から精力が衰えはじめ、
50を過ぎると、ほとんど用を足さなくなってしまった。
金にあかして、ありとあらゆることを試してみたが、
いわゆる薬石効なくと言うやっで、回復の兆しもなかった。

加藤さんは最初から夫婦揃って現れた。奥さんは女優の岩下志麻に似ていて、
しっとりとした感じの美人。ご主人が金払いが良い事も有ったが、
奥さんはホストの間でも人気があった。

我々は密かに奥さんのことを〈お志麻さん〉と呼んでいた。
何人かのホストに指名がかかったが、いつしか私にだけ指名がかかるようになった。
私が気に入られたのである。

ある日の事、店が終わってから、加藤さんのマンションに誘われた。
加藤さんの本宅は千葉にあって、テレビでも紹介されたほどの豪邸だが、
普段は横浜公園近くの高級マンションで暮らす事が多かった。

その日マンションでは、いわゆる〈実演〉がおこなわれていた。
男女がセックスをして見せるもので、ショーとしても珍しいものではなかった。

私の外にも、加藤さんの知人らしい何組かのカップルが居たが、
みんな遊び慣れた人たちと見えて、目の前で繰り広げられる男女の痴態にも、
たいして興味を示す様子もなかった。

私の興味は、もっぱらお志麻さんにあった。
お志麻さんがどんな反応を見せるか。
お志麻さんは、視線はこちらに向けていても、見てはいなかった。


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キス
物腰、表情は、まったく何時もと変わる事が無かった。
私に見つめられているのを、気付いているはずなのに、なぜか私を無視していた。

そんなお志麻さんに、私は強く惹かれた。いつかお志麻さんを・・・
そんなことを夢想しながら、飽きもせずお志麻さんの姿を追い続けた。

それからしばらくして、お志麻さんが一人で店に現れた。
もちろん、私がお相手をした。

私はダンスに誘った。何時もはご主人がみているから、いわゆるお行儀のいい
社交ダンスしかしないのだが、ご主人が居ないのを幸いに、
踊りながらチークに持ち込んだ。お志麻さんは拒まなかった。
薄手のドレスを通して、お志麻さんの〈女〉に触れたとき、私は体が熱くなった。
こんなことはめったにない事なのである。

「今夜の奥様は、いつもと違う」
「どこが違うの・・・」
「輝いていらっしゃる。妖しいほど・・・・」
「まあ、お上手だこと、フフフッ」

頬を摺り寄せた。お志麻さんの唇が直ぐ近く、ほんの数センチのところにある。
私は熱い吐息と共に唇を頬に押し当てた。
お志麻さんは感じていた。上半身の力を抜いて、預けるようにもたれかかって来た。

それは〈好きにしてもいいわ〉と言うシグナルのようなものだった。
お志麻さんも私もまったく動かなくなった。動いているのは下半身だけ。
それはズバリ、セックスを連想させるものだった。

BGMが途切れた。BGMが途切れると、次の瞬間、照明が極端に落ちる。
ほとんど真っ暗になる。およそ5分か10分だが、この間は、
何をしても良いと言うのがこの店のルールだった。
抱き合う者、キスをする者、自分の股間にホストの手をさぐらせる女性客。
逆にホストの股間のモノを口で咥える女性客。
まさに男女の欲望が錯綜する瞬間でもある。

BGMを止めるのは、興奮した男女が、それぞれに漏らす声が、
お互いを刺激し合い、さらなる興奮を呼び起こすためである。
  1. 夫婦の今と昔
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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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