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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 小説・大岡川ラブロマンス。其の十七
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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」

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小説・大岡川ラブロマンス。其の十七

◇狂い責め
芸者秘話9-1芸者秘話9-2
大岡川沿いの桜の花も散り、葉桜が青々と茂って来ると、そろそろ初夏らしい日々が続いた。
今年のキャバレー“シルバーシャドー”に於ける“桜祭り”でのアズサの新舞踊は
例年にない派手な所を見せた。

新たにパトロンと成った下田が金に糸目をつけずに応援して呉れたばかりか、
アズサは生まれて初めて恋をしている真っ最中なので、その日、その日に張りが有った。

落ち着いた本格的な日舞に比べ、アップテンポなリズムが似合う“新舞踊”は、
酔客には好評で若いアズサの得意芸である。
妹の千恵子もパトロンの平野に愈々囲われる身に成ったので、体に余裕が出来、
“特別出演”と言う形でステージに一緒に立って応援してくれた。

「暑くならない内に、京都、奈良でも一回りして来ようじゃないか」
一週間続いたキャバレー“シルバーシャドー”に於ける“桜祭り”の最終日。
骨休めに旅行をしょうと、下田から誘いを受けたが、アズサは日産スタジヤムに於ける、
関東六大学のサッカー試合が間近に迫って来ていたので、
「嬉しいわ、余り長いのは困るけど、五、六日なら如何にか成るわ」

試合が始まるまでに帰って来れば良いと思って、数日後、横浜駅22時24分発の
夜行寝台特急電車、サンライズエクスプレス出雲・瀬戸号に乗り込んだが、
その日は生憎の小雨が降っていた。

*JRの「サンライズエクスプレス出雲・瀬戸号」は浜松駅01時12分に発車すると、
 名古屋・京都・大阪では客扱いを致しません。次の停車駅姫路から新快速等で
 大阪や京都に戻る必要があります。*

「チーママは体調を壊して休んで居ると、聞いたが、その後どうして居る?
 今は滅多に顔を見せないママ(和子の姉で田原の後妻)が毎日来ている様だけど」
ラウンジカーの座席に腰掛けて、窓に降り付ける小雨の窓外を眺めながら下田は、
そんな事を言った。

「余り人には言えない事なんだけど、チーママは今オーナーの家で軟禁状態なのよ。
 若い大学生との逢引してる処が発覚して、そりやぁ酷い折檻を受けたのよ。
 オーナーはあの様な人でしょう、チーママを裸にして、アソコの中に指を入れて 調べたり、
 体にキスマークが付いて居ない調べたり、それでも飽き足りなくなって、チーママの黒髪を
 根元からプッツリ切り落として仕舞ったわ」

「男って勝手なものよねぇ、自分は赤坂の方に若い芸者を囲って居ながら、
 女の方で浮気をするとあぁなんですものね」
「へぇ、それは驚いた。髪の毛をねぇ。それじゃ丸坊主にされた訳か・・可愛そうに」
下田は呆れている。横浜を発車した列車は大船を通過していた。


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芸者秘話9-3a
「そうよ、出るにも出られないじゃない。チーママはすっかりしょげて、
 毎日鏡台の前に座ったきりなんですって。
 恥ずかしくて、美容院にも行かれないじゃないの。本当に可愛そうなチーママよ」
「うーむ、男の嫉妬て怖いもんだからね。でも、それだけで済んだなら好い方だよ。
 あの田原って言う男は、若い頃には地元のやくざと組んで、恐喝紛いの酷い事を
 散々遣っていたらしいよ。極右の連中と組んで左翼の大物を暗殺したって言う噂が
 真しやかに語られた事も有ったしね」 

「本当ねぇ、何しろあの時は怖かったわ、チーママに対するオーナーの仕打ちが、
 余り酷かったので、あたしがチーママを庇ってオーナーの隠し女の存在をバラしたら、
 オーナーは暫く無言で居たけど、チーママが、
「あたしお暇を貰って好きなようにしますから」と言ったら、
「オーナーは益々怒ってそれはそれは大変だったの。いきなり台所に行って、
 刺身包丁を手にして出てくるじゃないの、その時はチーママもあたしも流石に
 顔色を変えて震え上がったわ。あたしは夢中になって」

「オーナー、な、何をするのよ。そんな物騒なものを持ち出したりして、
 ねぇ、危ないわ、離して、離して頂戴!とオーナーの手を掴むと、
 オーナーはあたしを蹴飛ばしてから」
「放って置いてくれ!俺の女を、俺が煮て食おうが、焼いて食おうが、俺の勝手だ。
 しかもこの俺の恩を忘れやがって、別れて呉なんて抜かしやがって・・・
 散々若い男と乳繰り合った挙句に、なんてことを抜かしやがるんだ。
 殺してやるからそう思え!おい和子!覚悟は良いだろうな」

「そう言うと、いきなりチーママの肩を目掛けて刺身包丁で切りつけるじゃないの、
 アッ!と、あたしは顔を背けたけれど、オーナーって大した腕前なのね。
 どうなったのかとそっと、振り返って見ると、それこそ剃刀の刃でサッと撫でたように
 薄く線が引かれて、其処から血が滲み出ているの。
 チーママはもう唇を真っ青にして生きた顔じゃなかったわ」

「如何だ、動くと命は無いものと思え、ええいッ!」
「続けて片一方の刺身包丁を振り下ろすと、やっぱり剃刀の刃でサッ!と
 撫でたようにしか斬れないのよ。それこそチーママの体が少しでも動いたりしたら、
 グサッと深く肉を斬られる事になるのよ、もう、あたし怖くって、怖くって、
 ブルブル震えていたけど、オーナーはもう、芝居の斬られ与三郎じゃないけれど、
 チーママの肩から背中の辺りを数え切れない程斬りつづけていたわ。
 その内にチーママは気絶してしまったけど、それでもオーナーは許さないのよ」

アズサが語るその話に下田はフンフンと感心して聞いていた。 
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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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