雪乃と真利子と言う女。其の八
「私は結婚は男女平等でなくちゃ成らないと思ってるの。
でも実態はそうではないでしょう。結婚したら女はずっと男の奴隷よ」
戦後アメリカは民主主義とか自由主義という。麻薬を文部省を通じて振り撒いた。
確かに口当たりはよい。だが其のお陰で日本は独自の道徳観とか文化面での
良いものまで失った。離婚は増え、人の命を軽んじ、年寄りに冷たく、自己中心の
人間ばかりが増えた。
『僕はそうは思わないよ。君はクリスチャンなら聖書は僕以上に詳しいと思うけど、
こんな僕も若い頃には、恋に悩み、人生の矛盾に悩み、
学生運動にものめり込んだんだ、元々仏教徒の家に生まれた僕だけど、
聖書を読み漁り、教会を訪ねて説法を聞き、禅寺で座禅を組んだり、
親鸞聖人の御文書を読み漁ったものだよ』
真利子は興味有りげに身を乗り出して話しに耳を傾けた。
『そして得た結論は、男も女もその違いを有りのままに認め合い、
敬い愛しみ合う事だと言う事だよ。オスはメスと子を守る為に外敵と戦い、
メスはオスの子種を受入れて子孫を産み育てる。これは人間のみならず、
万物に与えられた生命の根幹に根付くもので、其処には歴然としたオスとメスの
違いが有るのだよ聖書にもちゃんと書いて有るよ、女の上に男が有るのだと・・・』
「そんなこと聖書に書いて有るかしら」
真利子の顔に動揺が走った。
『君にこんな事を言うのは釈迦に説法かも知れないが、
コリント前書の十一章に有るよ。
<すべて男のかしらはキリストであり、 女のかしらは男であり、
キリストのかしらは神である。 女は男の栄光である。
なぜなら男が女から出たのではなく、女が男から出たのだからである>・・・』
真利子は思い掛けない聖書の聖句を聞かされて、尊敬の眼差しに変った。
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難解な理論で煙に巻くのが得意な私は聖書の文句を使って真利子を口説きに掛かった。
『コリント前書のここで言う《栄光》とは柔順の結晶なのさ。
神様は人間を対比させる為に男女二種類に作ってお出でだろうか。
元々は一つの生命から子孫保存の為に、オスとメスという身体の構造も違い
異なったホルモンが流れ、男女は別な感情、別な反応を示す身体に成ったのさ。
そんなオスとメスが一つに成れる時は性交をする時だけだよ。
男女は区別されてこそ幸福なのであって、
異種のものが互いに平等になろうとするならば、
どちらかが不幸になる。思い当たる事はないかい』
私の言葉は真利子の心に染み入るように効いてきたらしく、
私の言葉に同意するかのように頭を縦に振っている。表情が和んでいる。
「長野くんに言われて思い当たることが一つあるわ。
私は日常生活では完璧な妻だったわ。お料理、お洗濯、お掃除、
その他の家事も一切完璧にこなしていたわ。
でも夜の夫婦生活だけは男性がいやらしく思え、
どうしてもセックスが好きになれなかったの」
真利子は反省するように過去の結婚生活を述懐する。
『どうやら真利子さんは結婚生活で一番大事なセックスを疎かにして来た為に、
離婚されたり夫に浮気されたりしたんじゃないのかね。
男性を強力に繋ぎ止める究極の女性の武器は、性の技術なんだよ。
お料理がどんなに上手でも夫婦の性生活が下手で、しかも勉強して
ともに気持ちよく成ろうとする意欲が無かったら離婚したくなるのは当然だよ』
真利子は頭も良く、聖書にも親しんでいる女性だけに、私の言う事を理解したようだ。
『真利子さん、ヘブル書の一章にもこんなのがあるよ
《天使とはみな仕える靴にして、救いの為に尽くすものだ》とね。
男がセックスしたいと言えば、何時でも快く応じて
男に仕えるのが女性本来の特質だと思うよ》』
私は聖書をネタにして女性を口説くのは初めてだったが、思いのほかの展開に
これでは「聖書」ではなく「性書」に早変わりしたようだった。
私は場所を移動して真利子が座っている右横に割り込んだ。
少しでも身体的な接触を多くする事が女性をセックスに誘導するコツである。
「言われて見れば確かにそうだわ。私は変に潔癖症だったのね、確かに私はセックスを
拒否する事が多かったの。でももう私は遅いわ。六十三歳ですもの。
それに一人暮らしだから性のお勉強する男性のお相手もいないでしょう」
『いや遅くないよ。真利子さんが性に対する考え方を変える決心をしたなら、
僕も同級生として実験台になって協力するよ。
ほれ、此処はさっきから協力したくてうずうずしているんだ』
私は真利子の手を取って、ズボンのチャックの間から突き出した自慢の、
青く浮き出た静脈に節くれだった十六センチのペニスを握らせた。
真利子は久し振りに手にする男性性器の脈動する感触にうっとりした表情である。
「まあ、長野くんのって、太くて随分長いのね」
『どうだい。今日から勉強を始めようか、あっ其の前に僕のだけ見せて居るのは
不公平じゃない、それにいざ勉強始め様としたら穴が無い、
なんて事だったらこまるから、真利子のオマンコも見せてくれないかな』
「いやだぁ、長野くんて、スケベなんだからぁ・・・」
『さあ、浴衣の下のショーツはもう要らないだろう、僕が脱がしてやるよ』
「はずかしいわ・・・でも、いいわよ」
真利子は少女の様に目許を赤く染め目を潤ませて頷いた。
炬燵の中から身体を出して畳の上に仰向けに臥して目を瞑る、
私は真利子の足元に移動して、浴衣の裾を捲り上げて、ショーツを引き剥がした。
真利子の割れ目は年に似合わず少女の様に縦に一筋の線に成って硬く締まっていた。
陰毛はかなり濃く大陰唇を覆いアヌスの方まで生い茂っていた。
『高校の頃から憧れていたマドンナのオマンコが今日から僕の物に成るんだね』
「いやぁーん・・いやらしい言葉使わないで・・・
これからは私を呼ぶときは、さん付けは止めて真利子と呼びつけにして、
長野くんの事を、あなた、と呼んでもいいかしら」
『真利子、好きだよ、あなたでもなんとでも好きに呼んで呉れていいよ』
私は楽しみは後に残して風呂に入ることにした。
『真利子、じゃあ僕も風呂に入ってくるよ。向こうの寝室の布団の中で待っていて』
- 二人の女
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ご挨拶
Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。
生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。
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