認知症の義父に尽くす妻。其の三
◇ボケ親父の悩み
私の妻の名はみのりではない。みのりと言うのは私の母の名、
要するに親父の連れ合いの名前なのである。
世間話はごく普通にするのに、妻に対しては、以前の様に息子の可愛い嫁というよりも、
自分の連れ合いと言ったふうに、少々横暴な物言いをするだけではなく、
名前まで呼び間違えているのである。
私はドキッとして箸を持つ手を止め、妻の方も慌てて私の顔色を窺った。
しかし、親父の方は一向平気で、
「おい、みのり、メシ・・・」
と、相変わらず茶碗を妻の前に突き出して、妻が受け取るのを待っているのだ。
「お父さん、是は僕の妻ですよ。お母さんはもうとっくの昔に・・・」
と言いかけて、私は続きを言うのを止めた。妻が私に向かって首を横に振り、
平然として親父の茶碗を受け取って飯を盛ったからである。
・・・良いじゃないの、これくらい。お義父さんも年なんだから、
少しぐらいボケても仕方ないわよ。
と、妻の目は私にそう伝えていた。少なくとも私は、
「私はお義母さんじゃありません!」
等と、親父にキッい事を平然と言って返すような女でない事を感謝した。
多少ボケても、私の親父として大事に扱ってくれる妻の優しさはさすがだと思え、
同時にやはりこの妻は、私にとって最良の女性だと内心感謝したのである。
しかし、親父の方は一体どの位ボケているのかどうか判らない。なにしろ、
「今の政治のいかんところはなァ・・・」
とか、
「いや、この頃の学校は、教育機関としての良心を失うとる。
教師はサラリーマン並みに成りおって、これで子供の教育がまともに出来るか」
など、それこそ情熱を込めて、まるで血気盛んな若者といった感じで、
悠々と飯を食いながら熱弁を振るい、ちゃんと的を得た事を言っているのである。
とても傍目にはボケの兆候など感じられなかった。
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ところがある夜、例によって午前様で帰宅したのである。妻は先に眠っていた。
久々にふと何気なしに親父の部屋を覗いて見る気に成ったのは、
物の弾みと言うものである。そーっと親父の眠っている部屋の障子を開けて、
親父の様子を窺って見て驚いた。
少々暑い季節であった。寝苦しいのか親父は掛け布団を跳ね除け、
大の字に成って白河夜船と眠りこけていたのである。
なんと、寝間着の浴衣の裾ははだけて、下腹まで丸出しになっている。
そして親父の下腹はピンク色のブリーフが覆っているのである。
私は我と我が目を疑った。
まさか・・・!
そう思いながらも疑念が生じて、そーっと親父の部屋へ忍び込み、
じっくりと親父の股を覗き込んだのである。そして、私の疑念は的中した。
まさに親父の下腹部を覆っているものは、親父の白のブリーフではなくて
妻のピンクのパンティだったのである。
こんな馬鹿な・・・。
と思いつつも、私はいつぞやの妻の話を思い出した。あれから随分日数が過ぎている。
しかし、親父は本当に妻の下着を自分のブリーフだと思い込んでいるらしいのだ。
少なくとも私は其の時そう信じ、妻の言ったように、
親父は本当にボケが始まって居るのではないかと、ドキリとした。
私の妻にみのりと呼び掛けたりしたのも、ひょつとすると本気だったのかも知れない・・・
と、少々配偶者を失くした男の哀れさを親父の寝顔に感じながら、
眠っている親父に気付かれないようにと、ソロリソロリと後ずさって部屋を出て、
障子を元のように閉めた後、自分の背中が何か悪い事でもした後のように、
じっとりと汗ばんでいるのを感じた。
可哀想に親父のやつ、お袋が居なくなって、やはり寂しいのだ、
それで、本当にボケが始まってしまったのだ。翌朝、妻に事情を聞くことにして、
其の夜はそのままシャワーを浴びて、ベッドに潜り込んだ。
反射的に私にしがみついてくる眠ったままの妻を片手で抱きながら、
・・・こりゃあ、ことは少々深刻になってきたな。と、久々に目が冴えて眠れなかった。
私の妻の名はみのりではない。みのりと言うのは私の母の名、
要するに親父の連れ合いの名前なのである。
世間話はごく普通にするのに、妻に対しては、以前の様に息子の可愛い嫁というよりも、
自分の連れ合いと言ったふうに、少々横暴な物言いをするだけではなく、
名前まで呼び間違えているのである。
私はドキッとして箸を持つ手を止め、妻の方も慌てて私の顔色を窺った。
しかし、親父の方は一向平気で、
「おい、みのり、メシ・・・」
と、相変わらず茶碗を妻の前に突き出して、妻が受け取るのを待っているのだ。
「お父さん、是は僕の妻ですよ。お母さんはもうとっくの昔に・・・」
と言いかけて、私は続きを言うのを止めた。妻が私に向かって首を横に振り、
平然として親父の茶碗を受け取って飯を盛ったからである。
・・・良いじゃないの、これくらい。お義父さんも年なんだから、
少しぐらいボケても仕方ないわよ。
と、妻の目は私にそう伝えていた。少なくとも私は、
「私はお義母さんじゃありません!」
等と、親父にキッい事を平然と言って返すような女でない事を感謝した。
多少ボケても、私の親父として大事に扱ってくれる妻の優しさはさすがだと思え、
同時にやはりこの妻は、私にとって最良の女性だと内心感謝したのである。
しかし、親父の方は一体どの位ボケているのかどうか判らない。なにしろ、
「今の政治のいかんところはなァ・・・」
とか、
「いや、この頃の学校は、教育機関としての良心を失うとる。
教師はサラリーマン並みに成りおって、これで子供の教育がまともに出来るか」
など、それこそ情熱を込めて、まるで血気盛んな若者といった感じで、
悠々と飯を食いながら熱弁を振るい、ちゃんと的を得た事を言っているのである。
とても傍目にはボケの兆候など感じられなかった。
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ところがある夜、例によって午前様で帰宅したのである。妻は先に眠っていた。
久々にふと何気なしに親父の部屋を覗いて見る気に成ったのは、
物の弾みと言うものである。そーっと親父の眠っている部屋の障子を開けて、
親父の様子を窺って見て驚いた。
少々暑い季節であった。寝苦しいのか親父は掛け布団を跳ね除け、
大の字に成って白河夜船と眠りこけていたのである。
なんと、寝間着の浴衣の裾ははだけて、下腹まで丸出しになっている。
そして親父の下腹はピンク色のブリーフが覆っているのである。
私は我と我が目を疑った。
まさか・・・!
そう思いながらも疑念が生じて、そーっと親父の部屋へ忍び込み、
じっくりと親父の股を覗き込んだのである。そして、私の疑念は的中した。
まさに親父の下腹部を覆っているものは、親父の白のブリーフではなくて
妻のピンクのパンティだったのである。
こんな馬鹿な・・・。
と思いつつも、私はいつぞやの妻の話を思い出した。あれから随分日数が過ぎている。
しかし、親父は本当に妻の下着を自分のブリーフだと思い込んでいるらしいのだ。
少なくとも私は其の時そう信じ、妻の言ったように、
親父は本当にボケが始まって居るのではないかと、ドキリとした。
私の妻にみのりと呼び掛けたりしたのも、ひょつとすると本気だったのかも知れない・・・
と、少々配偶者を失くした男の哀れさを親父の寝顔に感じながら、
眠っている親父に気付かれないようにと、ソロリソロリと後ずさって部屋を出て、
障子を元のように閉めた後、自分の背中が何か悪い事でもした後のように、
じっとりと汗ばんでいるのを感じた。
可哀想に親父のやつ、お袋が居なくなって、やはり寂しいのだ、
それで、本当にボケが始まってしまったのだ。翌朝、妻に事情を聞くことにして、
其の夜はそのままシャワーを浴びて、ベッドに潜り込んだ。
反射的に私にしがみついてくる眠ったままの妻を片手で抱きながら、
・・・こりゃあ、ことは少々深刻になってきたな。と、久々に目が冴えて眠れなかった。
- 継父相姦
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ご挨拶
Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。
生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。
*このサイトは未成年にふさわしくない成人向け
(アダルト)のコンテンツが
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「ポルノ」のみを指しているのではなく、
社会通念上、
18歳未満の者が閲覧することが
ふさわしくないコンテンツ
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したがって、アダルトコンテンツを
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禁止します。
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