珠江夫人五十歳。其の三
「ヒーイ、イクイクッ・・・」
私は未だなのに加藤夫人は女性としての本能からか無意識の動作でティッシュを取って
股間に挟んでダウンした。私は未だ発射前だったので簡単に後始末が出来た。
座布団はすっかり湿って汚れている。
二十分程して加藤夫人は起き上がった。
『奥さん、気持ちよかったですか』
「あたし、主人との時はこんなに乱れたこと無いのよ。恥ずかしいわ」
加藤夫人はのろのろとした動作で股の後始末をし始めた。
国鉄からJRに成って、鉄道利用の旅行は随分楽に成った。
我が群馬県は海の無い県で有るが、
今は乗り換え無しで湘南や伊豆の海に行く事が出来る。
時間的には新幹線を乗り継ぐのが早くて便利だが、私は電車内での(遊びを)を考えて
東京駅からスーパービュー踊り子と言う電車に乗り換える、
伊豆の下田までのコース取りをプランニングした。
「高石さん、お待ちに成りましたでしょう。御免なさい。留守の間、
主人の世話をして呉れる家政婦さんとの打ち合わせに手間取りましたの」
上品な薄紫色の正絹の大島紬の上に濃紫のビロードのショールを肩に掛けた
加藤夫人が上気した顔でやってきた。
『いいえ、私も今来たところです』
私は長野新幹線の軽井沢駅の待合室で三十分程前に来ていたのだが、
男のマナーとして嘘をついた。
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加藤夫人は財布を取り出し、自動販売機で缶ビールを四本買っていたので
私はキオスクで酒のつまみになる物を購入した。
車内は、通勤時間帯を外していたので、座席はガラガラだった。
私と加藤夫人は窓際に向かい合わせて座席を取った。
私はわざと座席に浅く腰掛けて、
足を延ばして和服姿の加藤夫人の足の間に割込ませた。
「あらあら、お行儀の悪い足だこと」
加藤夫人はそう言ったものの、私の足をどけようとはせずに、
平然として私に缶ビールを渡した。
「ねぇ、高石さん、ちょつと耳を貸してね」
『なんだい』
「私、今日はノーパンティで来ましたのよ。腰巻はしてますけどね」
『うん、其れが本来正しい和服の着かたじゃないんですか。
昔の女性は無防備のような腰巻でも肉体の貞節を守っていたのに、
現代女性は防備が堅いパンティを身に着けていても、
自分から脱いで淫奔なんだからね』
「あら、それ私に対する皮肉かしら。私は本当は貞節な女なんですよ。
主人があっちの方の元気がないもんで、私のアソコはもう蜘蛛の巣城の状態なの。
だから今日の旅行は主人公認の上でのお付き合いなんですのよ」
『すみません。そんな積りで言ったのじゃ有りません。チョツト失礼します』
加藤夫人はバックから大き目の仮眠用のシートを取り出して腰から下に掛けた。
私は靴を脱いで裾から入れた足の指先で着物の合わせ目の奥に侵入させた。
私の足の指による悪戯にも抵抗はしない。目を閉じて気持ち良さそうで有る。
「ねぇ、高石さんのオチンポは女性の指による(介護)が必要かしら、
それともその必要が無い(自立)かしら」
加藤夫人は最近話題の介護保険の認定に引っ掛けた思わせぶりな
ジョークを発して私の好奇心を揺さぶってくる。
『奥さん、失礼な。まだまだ(自立)ですよ』
「あらあ、頼もしいわ。うちの主人なんか。(介護)しても立たないのよ、悲しいわ」
『なんだったら、今(自立)の認定をして戴こうかな』
「あっ、あらっそれはちょつとまってね。車掌の検札が済んでからにしてね」
加藤夫妻の七十二歳の夫と五十歳の妻との組み合わせは、
たとえ通常でも性的にはアンバランスなものである。
まだ性欲が旺盛な奥さんに対して、夫の方はもうすっかり引退して
永い事ご無沙汰だそうである。
知らない人が見れば、車中の私と加藤夫人の方が、
より本当の夫婦らしく見えるのでは有るまいかと思った。
いよいよ銀婚式の贈り物として加藤夫人に快楽を与える義務を
私は追って居るので有る。窓の外は何処までも澄み渡った明るい秋空で気持ちいい。
車掌が検札に来た。加藤夫人は切符を車窓に渡しながら、東京までの時間を聞いていた。
軽井沢~東京間はさすが新幹線は流石に早い、加藤夫人の着物の裾を捲くり、
ノーパンの中の割れ目を指でくじりながら缶ビールを二本飲みきったところで、
東京駅についてしまった。楽しみは(スーパービュー踊り子号)のグリーン個室へと
持ち越された。
「ねえ、高石さん私もう我慢出来ないわ」
列車が横浜を過ぎた辺りから検札に回って来る車掌もいなく停車回数も減って
外から覗かれる事も無くなった。カーテンを閉めれば外界から遮断された個室である。
「ねえ、ここで昆布巻き出来ないかしら」
『うん、出来ると思うけど、其の前に肝心のモノが少し柔らかいんだ』
「あら、さっきは(自立)とおっしゃってたじゃないのや。
いいわ、私が(介護)して立たせてあげるわ」
男の魔羅の勃起現象は無神経な女性が考えるほど簡単なものではないのだ。
精神的な不安の気持ちが魔羅の勃起を大きく左右するののである。
『奥さん、人がくるかも知れないと思うと、うまく立たないよ』
「もう大丈夫でしょう、此処は貸切の個室なんだから、窓のカーテンも締めたしね」
『男の魔羅はとてもデリケートなんだよ』
「介護が必要なんて弱虫チンポね、せっかくノーパンで来たのょ。
早く大きくなって、オチンポ入れて下さいな。
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ご挨拶
Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。
生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。
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