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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 小説・大岡川ラブロマンス。其の十一
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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」

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小説・大岡川ラブロマンス。其の十一

◇愛の書簡
和服美女15
妹の千恵子はパトロンと関西に行って留守だと言う。
大学生から頼まれた一件が気に成って仕方が無いのであるのに、
千恵子は一週間が過ぎても中々帰って来なかった。

新聞にはボッボッと大岡川の桜が咲き始めたと写真入りで報道されていた。
陽炎が燃えるのを窓越しに眺めながら、アズサは壁際の小机に向かって、
手紙を書いていた。
ーーー
この前の晩にお逢いして頼まれた件、妹が京都、奈良方面にお客様と旅行に行っているので、
今日の日までお約束を果たせないで居ります。必ず貴方のご意志の様に解決いたしますから、
その点、ご安心下さいませ。

この頃、時々貴方の夢を見ます。こんなはしたない事を言うと、貴方に軽蔑されそうですが、
私、一目貴方を見た時から、年甲斐も無く貴方が好きに成ってしまいましたのよ。
本当、嘘じゃありません。お兄様の為に、外国への留学費用まで投げ出す、貴方の美しく
優しい心使いに、そして貴方のきりっとしたお顔、スポーツマンらしい逞しいお体、
私はこうした商売の女ですが、初めて貴方の様なお方にお逢い致しました。

汚れている体の私ですが、時々、お逢いして下さいませね、
私の方で貴方の予定に合わせますから、私の様な女では駄目でしょか・・・。
それにお約束のサッカーの試合、私忘れて居りませんよ。
必ず切符を送ってくださいね。

貴方にお会いしたあの日の夜、行った事もない日産スタジアムに行った夢を見ましたのよ。
詰襟の学生服姿の貴方がスタンドで大きな応援団旗を高々と振り上げている、凛々しいお姿・・・
その時、私はどんな姿であったと思う?可笑しいじゃありませんか、私がセーラー服を着て、
三つ編み姿で居るのよ。まるでテレビの青春ドラマじゃないですか・・・本当に可笑しいでしょう。

それから・・・ふゝゝ、でも、後のことは言えないわ。それは、それはもう甘い、楽しい夢でしたの。
生まれて、こんな楽しい幸福な夢は初めて・・・
本当に、朝、眼が醒めてからそりゃもう恥ずかしかったわよ。

お約束の件が無事に片付いた時には、ご褒美に何処かに連れていて下さいな・・・
早川豊様              貴方をお慕い申して居りますアズサ(本名:高橋恵美子)より


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芸者秘話6-3
書き終わったアズサは、まるで女学生にでも成った様な、センチな気持ちに成って来るのだった。
これが恋、恋と言うものかしら。アズサはそっと胸を抱き締めた。
プーンと開け放された窓から、バラの盆栽に撒いた肥料の匂いが入って来た。
近くのコンビニの郵便ポストへ手紙を投函し終わって、ドレッサーに向い髪をセットしている時だった。
玄関でチーママの和子の声と共に、只ならぬ騒ぎ声が聞こえて来た。
アズサが階下に降りていくと、屈強な男が三人立っていた。

「リサさんの行き先が判らぬとは、可笑しいじゃないかね、
 ママの処では若い子の行き先位聞いて置かないのかね」
風体のよくない中年の男がそう言うと、
「兎に角、リサさんの持ち物を一応調べさせて貰うから・・・部屋は何処だね」

警察の刑事であった。リサのパトロンが贈賄事件で検挙されたが、
どうしても事件を裏付ける手帳が見付からないと言うのである。
ミドリとサツキは寝床の中で、時ならぬ刑事達の踏込みに慌てて飛び起きたが、
リサの持ち物の中からそれらしい物は何一つ出てこなかったが、肝心のリサが、
三日程前から、もう一人のパトロンと湯河原温泉に行っていた。

「困ったなぁ、どうしても、リサさんの行先は思い出せませんか」
もう一人の刑事が執拗にリサの行先を訊ねるが、それは言う事が出来なかった。
一緒に行っているもう一人のパトロンに迷惑が掛かるからである。

その夜正式にアズサのパトロンと成った下田から店での接待の予約が入った。
あれから初めての連絡であった。
「いいわね、若いパトロンと逢うのは・・・あたしもどっかにハンサムな若いパトロンは
居ないかしら、爺さんの相手も、いい加減に飽きが来たわ、チーママの様に若い
ツバメでもこさえようかしら」サツキが言った。

「あなた位なら、どんな男性でもお望み通りじゃない。
 あの、映画俳優の大国朔太郎はどうしたの、その後・・・」
「ダメよ、あんな人気商売の男は・・・浮気っぽくって、それに、
 いい男振つているのがあたしには好かないわ。
 ねぇ、聞いて頂戴、昨夜のことよ、大国朔太郎のお座敷に呼ばれたから、
 行って見ると、彼一人でチビチビと飲んでいるじゃないの、
 『あら、今夜はお一人なの』と例によってお酌をしようとすると、
 あの人ったらいきなりあたしの肩を抱き寄せるなり、キッスをした後に、
 あの人たったら顔にも似合わない凄いことをするよ。何かと思う?
 あたしの手に握らせたのよ、・・・そうよ、
 ぐんにゃりとしたものを握らせるじゃないの、あたし、びっくりしちゃって・・・」
サツキは肉体派のホステスなので、よく、お客からは欲情的な仕打ちに会うらしかった。
  1. ホステス物語
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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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