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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」 2014年10月21日
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詩(うた)と小説で描く「愛の世界」

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こんな離婚夫婦もあってもいい。其の一

横浜在住の56歳の“明里さん(仮名)”と言う方の希望で書いてみました。

◇夫婦のようで夫婦でない
最上階のレストラン
「結婚しないか、って誘われてるの」
明里がそんなことを言い出した時、私は“またか”と思う部分が半分
“聞き捨て成らないな”と思う部分が半分、と言う気分でした。
明里が私でない誰かのことを言い出すのは、これが初めてではありません。
けれども、其の都度私は胸の奥に名伏し難い疼きを感じてしまうのです。

その疼きが嫉妬だと言うことは、はっきりとわかっています。
もちろん、嫉妬を覚えて楽しくなるはずもありません。
私はその気持ちを素直に表情に浮かべながら、
「ふうん、どんな相手なんだ?」と、明里に聞き返していました。

大岡川沿いのホテルの最上階にあるレストランの、コースディナーを
一緒に食べながら、明里の話はこんなふうでした。
「業界では一流ってランクのメーカーのエリート組でね、
 もう部長だって言ってたかな。やっぱバツイチなんだってさ。
 知り合ったきっかけは友達の紹介。別に結婚相手を紹介するとか言う
 感じじゃなくて、趣味の集まり・・・アウトドア系の集まりで、
 日帰りのキャンプごっこに誘われて、っていう感じだったの。
 半年ぐらい前からね、会うようになったのは」

フルコース料理の、ひとっひとっ、小さな皿が次から次へと運ばれてきます。
明里は、それをどんどんたいらげながら話を続けました。
「懲りない性格みたいね、その人は『一度失敗しても、まだ結婚したいんですか』 
 って聞いたら、
『一度や二度で女嫌いになれるほど、僕は女性に失望しちゃいないよ』ですって。
 真顔で言うもんだから笑っちゃった」

明里は話しながら、私の顔を窺って、微妙な笑みを浮かべます。
私は“又始まったな”とおもいつつ、憮然とした表情を浮かべたまま、
言ってやります。
「で、どうするんだ。
 某大手メーカーのエリート部長夫人の座に、おさまるのかい?」
明里は微妙な笑みを、思いっきりの笑みに変えて答えます。
「うふふ、妬いてくれてるのね。嬉しい。
 しないわ結婚なんて。私はあなただけよ」
要するに私を煽ろうとしているのです。


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こんな離婚夫婦もあっていい。其の二

◇離婚後も愉し
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明里は、私が大学を出てすぐに就職した会社で知り合った女でした。
受付け嬢をやっていて、同僚の間ではちょっとした人気者でした。
それを、私が26歳の時・・・、明里は私より三歳年下で
23歳でした・・・に、射止めたのです。

なにしろ、世の中が浮かれていた頃に二十代前半を過ごした訳ですから、
私も明里も、相応に遊んでいました。
贅沢が最初から身についていた、とでもいいましょうか。

六本木辺りで一晩中遊び歩き、赤坂のホテルで
モーニングコーヒーを飲んで、そのまま会社に向かう、
などと言うことを、大学を出て早々の若さでやっていたのです。
当然男女関係にしてもそれなりのものがありました。

私は結婚前に経験した女性の数は軽く三十を超えていましたし、
明里も二十人には届いて居たのではないでしょうか。
それらを互いにある程度納得した上での結婚です。

それだけ遊んだ後の結婚ですから、結婚後は夫々落ち着き、
むしろ家庭的な家庭を私たちは築きあげる事が出来たのです。

私が独立したのは結婚後四年目の事になります。
そして会社が本当ににっちもさっちもいかなくなったのは、
40歳の時、事業を始めて10年が過ぎた頃の事でした。


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こんな離婚夫婦もあっていい。其の三

◇ベターハーフ以上
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それが感じられる時、私は焦りました。
明里は本当に、私にとっては最高の女なのです。
其れがもし失われたら・・・と思うと、
居ても立っても居られなかったのです。

けれど明里は、結局私の元へ戻ったのです。
三度ほど、そう言った事があり、
四度目には明里もかなり揺らいだようです。
その時には、私にもはっきりと、
「好きな人ができたの」と言っていました。

結婚も考えている、と言いました。
その時、私はひどく取り乱しました。明里に私以外の男が居る、
と言うだけでも憂鬱になるのですから、それをはっきりと
言われたら、普通ではいられません。

自分でもこれは情けない、みっともないと思いました。
こんな姿を見せてしまってはもう駄目だな、とまで思いました。

具体的には恥ずかしくて書けませんが、とにかく私は、
それほどに惨めな姿を明里に晒してしまったのです。
明里が私から去ろうかと思う、と言った其れだけで・・・
去ると言ったのではありません。去ろうかと思う、
と言っただけなのです。

ところが、意外なことに明里は、私のそんな醜態をむしろ
喜んだらしいのです。

その当座は話にもならず、
折角のデートも喧嘩別れの様に終わってしまいました。
が、翌日、明里の方から電話をしてきたのです。
もう一度会いたい・・・と。


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こんな離婚夫婦もあっていい。其の四

◇妻の握り具合
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背中にタオルの感触を感じた私が、首だけひねって後ろを見ると、
まだ体にタオルを巻き付けたままの明里が、私の背中にピッタリと体を
押し付けてきていました。

「言わんこっちやない。体が濡れるどころか、タオルまで濡れて、
 泡まみれじゃないか。もうそのタオルで体は拭けないぞ」
「いいわよ。タオルなんて、フロントに電話して持ってきて貰えば良いわ。
 それより・・・」

明里が瞼を閉じ顎を上げて唇を尖らせます。
私はその唇に“チュウ”と自分の唇を軽く当てました。

明里の唇が逆三角型にキュツと笑み、
次の瞬間にはばかっと開いて、奥から舌が突き出されます。
私は体をグルリと回し、タオル巻きのままの明里を正面から
抱きしめて、その舌に吸い付きました。

「ん、んっ・・・んっ、んっ・・・」
小鼻を膨らませて、明里が唸ります。喉の奥から唇に、
声が直接の振動になって伝わってきます。

明里の両手は、私の尻にピッタリと当てられ、
ゆるゆると撫で回しながら、強く自分の腰に私の腰を
押し付けるような動き方をしています。

「石鹸泡を、流さなくちゃな」
「うん」
抱き合ったまま手を伸ばしてシャワーを取り、湯を送らせます。
最初、少し冷たかった湯を浴びて、明里が「きゃあんっ」と叫びます。
そして、体を離さず密着させたまま、モゾモゾと揺すって、
外れかけていたタオルを足元に落としました。

「ねぇ・・・最初は、ここで」
「ずいぶんとセッカチなんだな」
「だって・・・」
明里は言いながら、ずっと私のペニスを扱き続けています。
その扱き方は、さっきよりもずっと強くせわしく成っています。


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ご挨拶

万屋 太郎

Author:万屋 太郎
2006年9月に初稿をUPしてから
早くも14年が経過いたしました。

生まれ育った横浜を離れて6年前の1月に、
静岡県伊東市に移住いたしました。
山あり、湖あり、海あり、の自然環境はバッグンです。
伊東には多くの文人が別荘を持ち、多くの作品を
手がけて居られるようです、私もあやかって、
この自然環境の中での創作活動が出来ればと思っております。

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